7 ページ7
智洋サイド
何とかワンクール目の抗がん剤治療を終えた
まだ何回か続けなあかんけど
体調も良くなったし、Aちゃんの部屋に行った
Aちゃんは数日間会っていないだけでかなり痩せ細っていた
あまりご飯を食べられていなのだろうか
「久しぶり、」 と言うと
Aちゃんは「会いたかった」とうるうるな目で言った
可愛くってでもどこか寂しげで
僕は思わず軽く抱きしめて頭を撫でてあげた
するとAちゃんはニコッと微笑んだ
この笑顔をずっと守っていきたいと思った
イスに座ろうとした時
ベットがガタガタ揺れているのが分かった
見てみるとAちゃんが痙攣を起こしていた
初めてこんな近くで痙攣を見て、動揺してしまった
とりあえずナースコールを押した
僕はAちゃんの名前を呼び続け、さすってあげた
しばらくして中間先生が来て、点滴をしてもらい、おさまった
僕は怖かった
固まっていると中間先生が
「智洋、支えてあげてな」
と言って帰ってしまった
しばらくして目が覚めたみたいだった
「びっくりしたよね、ごめんね、」
とまた泣きそうな目で悲しそうに言った
「大丈夫、あのさ、、、
Aちゃんのこと一生守るので付き合って下さい」
と僕は言った
そしたらAちゃんの頬に一滴の涙が零れた
「こんな私でもいいなら、よろしくお願いします。」
「ほんまに、ええの？」と聞くと
あの笑顔で「うん！」と頷いてくれた
今までも何人か彼女はいた、
けどAちゃんは特別だった
こんなにも守りたいって思える人は初めてだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あん | 作成日時：2017年10月14日 19時
