どうせ君もそうだから。（桃）

決めたこと ページ14

『そう…わかった。』



胸のところがスーッと冷たくなって




別れたくない

とか

好きでいて


なんて言葉なんが浮かばなかった。



もういいや。

信じてた私がバカだったんじゃん。




ため息をついてうつむいた。



2人の間に流れる沈黙。





沈黙に耐えられなくなった彼が

笑ってごまかしながら話し始めた。





その女友達をなんで好きになったのか。


今までは本当に友達としか見てなかった。


まだ彼の気持ちを女友達は知らない。


関係なんてもってない。


浮気じゃない。


俺が勝手に好きになったんだ。




へぇー…


私はなんでこんな話を聞かなきゃいけないの。



ねぇ、

あなたを信じてた私に


何にも思わないの？



それを聞かされた私の気持ちは？


あなたを信じて待っていた間


あなたはその好きな女友達に夢中だったんだね。




家に待たせてた私のこと少しでも思い出した？


ねぇ、私に悪いなって思わなかった？






でも彼からはそんな言葉

１つも出てこなくて




その女友達をかばうような言葉ばかり。



あいつは悪くない。


あいつは悪くないから。


だからあいつを責めないでくれ。





はは…


笑っちゃう。




なに？

私がその女友達に何かしそうなの？


そんな女だと思ってるの？



あなたが付き合ってた私はそんな女だったの？



そっか


私だけが浮かれてたんだ。


幸せだー！

恵まれてるー！


って思ってたのは



私だけ。






そう思ったら

目の前にいる男がちっぽけに思えて




いらないって思った。



うん。いらない。





何も言わないまま


そのまま彼の部屋を出た。





そうか。


好きになって

夢中になんてなったら



バカをみる。




誰かを待ったり


一途に想うなんて


無駄なことなんだ。





私がどんなに真剣に想っても


どんなに頑張っても



相手がぶち壊したら意味がなくなる。





そんなら



そんな苦しい思いするなら




誰かを好きになるなんて

そんなバカなことしない。




私は誰も好きにならない。



もう好きになんてならない。




私は

自分のことだけを大切にする。




もう…



恋なんて


愛なんて



いらない。




どうせそんなものは嘘をつく。



彼だけじゃない



世の中の人なんて大体そう。





彼の家からの帰り道


冷たい風が吹く中


1人で歩いて帰りながら



私はそう決めた。

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