夜の予定 ページ19
少しだけ駆け足で
スタジオのある建物を出た。
袖をめくって腕時計を見ると
田村さんのところに行かなきゃいけない時間まで
結構ギリギリ。
やばい、やばい。
建物すぐの大通りで
大きく手を上げて緑色のタクシーを止めた。
運良くすぐ止まってくれるタクシー。
よし、ラッキー。
勝手に開いた扉から飛び乗る。
手帳をワタワタしながらカバンから取り出して
佐々木さんに教えてもらった
田村さんの事務所の住所を
運転手さんに伝える。
無愛想な運転手さんは
小さな声で返事だけして
タクシーを走らせた。
とりあえずタクシーに乗れたこと
時間に間に合いそうなこと
少しだけホッとしながら窓から外を見た。
その時
ポケットに入っていたスマホが
音を鳴らさず震えた。
『よいしょ…』
膝の上に置いていた大きなカバンをどかしてから
ポケットからスマホを取り出した。
佐々木さんかな？
何か伝え忘れたとか？
すでに画面には
メッセージの通知が表示されていた。
…流星くん。
つい目を細めて
口元から笑顔がこぼれる。
ポチポチと
画面を指で押して
愛しいそのメッセージを開いた。
『Aさんお疲れ様。
今から行くなんて大変やな。
気をつけて行ってきて。
打ち上げ会場で待っとる。
早く来てね。
あと
今日、二次会終わったら
良かったらなんやけど…
俺んち来うへん？
今日はAさんと
一緒におりたい。』
あまりにストレートな誘い方に
胸がバクバクと音を鳴らす。
仕事の後
みんなと過ごす二次会のあと
流星くんと2人きり。
切り替えられるかな。
困ったな…
なんて思ってみても
やっぱり嬉しくて
笑顔が抑えられない。
『わかった。
じゃあ、お邪魔します。』
急いでメッセージを送り返した。
なんか視線を感じて
チラッとルームミラーを見ると
怪訝な顔で私を見る運転手さん。
えっ！
やば…
そんなに笑っちゃってた、私？
慌てて無表情に戻して
何気無い顔して
ドアのヘリに肘をついて
窓の外を見つめた。
それでも
頭の中では
今夜2人きりでいれることでいっぱいになる。
明日も仕事だけど
少しの無理なんてたいしたことない。
早く
流星くんに抱きしめてほしいな…
…だめだめ。
まずは仕事。
早く終わらせよう。
私の気持ちのように
タクシーはスピードをあげた。
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うえうえす子(プロフ) - そらゆきさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました！素晴らしいなんて…とんでもないです！楽しんで頂ける作品が書けるように頑張ります！是非是非またお願いします！ (2017年4月19日 21時) (
レス) id: 83d9077ee4 (このIDを非表示/違反報告)
うえうえす子(プロフ) - 鳳清四郎さん» いつもありがとうございます！佐々木さんを出し過ぎまして…書いてて不安でした(笑)流星の可愛いところが出ていたら嬉しいです！また新作出ましたらお願いします！ (2017年4月19日 21時) (レス) id: 83d9077ee4 (このIDを非表示/違反報告)
うえうえす子(プロフ) - やぶひか りゅせかみ 信者さん» いえいえ！最後まで読んで頂いてありがとうございました(´∀｀)続編を希望してもらえるなんて本当に嬉しいです！少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 83d9077ee4 (このIDを非表示/違反報告)
うえうえす子(プロフ) - ちーやむさん» ありがとうございます(´∀｀)続き知りたくなってしまいますよね…そんな終わり方ですいません！少しでもキュンキュンして頂けてたら嬉しいです！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 83d9077ee4 (このIDを非表示/違反報告)
そらゆき - 完結おめでとうございます！最後まで、「どうなるんだろう」と更新が楽しみでした！流星も佐々木さんもカッコよかったです笑いつも素晴らしい作品をありがとうございます！！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 217a87d3aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うえうえすこ
| 作成日時：2017年3月21日 15時
