音駒のマネは地獄耳！？(4)

番外編「「「信じて待つ」」」 ページ29

黒尾side


今日も俺は病室に向かう

あれからもう何ヶ月たっただろう

それなのに、まだ彼女はを目覚まさない


黒尾「…今日も来てやったぞ」


静かに眠る彼女の頬を撫で

髪に触れる


黒尾「今日は俺一人だけど、明日は研磨も来るってさ」


黒尾「あいつ、お前が寝てからすっかり元気なくなって、ずっと暗い顔してんだぜ」


黒尾「浅霧もあんま笑わなくなった」


黒尾「他のやつも、お前を心配してる」


黒尾「お前は俺らにとって結構大事な存在なんだよ…」



いくら話しかけても

ピクリともしない姿に心が痛い


早く…目を覚ましてくれ

いつもみたいに笑ってくれよ



また、2人で馬鹿やって研磨に呆れられてよ

でも結局、夜久達に怒られんのは俺でさ

お前は研磨の後ろに隠れて笑ってんだ…



黒尾「…ｸｯｿ」



何も出来ない自分の不甲斐なさに無力さに

ただ待つことしか出来ないことに打ちひしがれながらも

俺は毎日ここに通う

今日はもしかしたら起きているんじゃないかと

密かに期待しながら…




黒尾「そうだ、今日も持ってきたんだぜ」



そう言って花屋で買ってきたアネモネの花束を

いつも通り花瓶に入れて飾る



黒尾「さて、じゃあ俺はそろそろ行くな…」

黒尾「また明日な…」



陽の光に照らされて青く輝くアネモネに思いを託し

俺は病室を後にする



いくらでも待つさ

あと何ヶ月でも何年でもお前が起きるまでずっと




「愛してる」

番外編「「「私が起きなかったら…」」」→←ありがとうございます

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