音駒のマネは地獄耳！？(4)

167話 ページ24

大変だ……

もしかして私死ぬのでは？



浅霧「聞いてるんですかAさん」

研磨「今おれたちが大事な話してるのわかるよね」

『ハイ…』


入院して2日目

私、早くもこの圧に押し潰されそうです…



〜1時間前〜


黒尾「入るぞ〜」


ガラガラ…


『あ、クロ』

黒尾「今日は俺だけじゃねぇぞ」

『え？』


浅霧、研磨「「…」」


『あっ…』(察し)



…まって無言怖い

無言怖いから！

お願いだから誰かなんか喋って！？



研磨「元気そうだね」

『ｵｶｹﾞｻﾏﾃﾞ…』

浅霧「Aさんの体が無事なら良かったです」

『ｺﾞﾒｲﾜｸｵｶｹｼﾏｼﾀ…』



おいクロ！

お前笑ってんなよ！？

助けてよ！怖いよこの子達！！

さっきから無言の圧で私苦しいんだけど！？

絶対怒ってるよね！？これ絶対怒ってるよね！？




〜現在〜



『あの、えっと……』

浅霧「Aさん私に言いましたよね、どこかに行く時はちゃんと話してって」

『ｳｸﾞｯ…』

研磨「おれにもフラフラしないでって言ったよね」

『ｳｸﾞｸﾞｯ…』



返す言葉もごさいません…



完全なるノックアウトに

肩をガックリと落とし、両手で顔を覆う


そこからの展開はまぁ予想通り

2人からこっ酷く叱られた



てか、なんで私怒られてんだ？

私だって辛かったんだぞ？？

それなのになんで私だけ…



ついそんな事を思って言い返そうと2人の顔を見上げた時

私は言葉を失った


『ッ…！』




ポタ……ポタ……



微かに響く

床に涙が落ちる音



研磨「お願いだから…もう…こんなことしないで…」

浅霧「Aさんがいなかったら…私どうしたら……」



目の前で静かに泣き出す2人

私は、なんて事をしようとしたのだろうか


この子達は

本気で私のことを心配してくれていたのに

それを、少しでもうるさいと感じた自分に腹が立つ

それと同時に、2人をとても愛おしく思う


近くに寄ってきていた2人を抱き寄せる

声を押し殺すように啜り泣く声を聞いているだけで

胸がはち切れそうな程に苦しい



『ごめん…ごめんね……』



貴方たちに悲しい思いをさせた私を


貴方たちをこんなにも泣かせてしまった私を


どうか許して




研磨「次こんな事したら…絶対許さないから」

浅霧「私も絶対許しません…」

『うん、わかった…』


まだ上手く力が入らない腕で

どのくらい強く抱きしめることが出来ているのか分からないけど

私は今の私の全力で2人を抱きしめる





『おはよう』

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