音駒のマネは地獄耳！？(3) (ページ49)

今日:6 hit、昨日:20 hit、合計:65,128 hit

143話ページ49

1月5日早朝

今日は全日本バレーボール高等学校選手権大会

通称春の高校バレー当日

『あ"ぁ"…外さっむ…』

研磨「中入れば…そこまでだと思うよ」

黒尾「おいおい、今からそんな調子で大丈夫か〜？」

自分こそ超緊張してるくせに

人の事言えるのかこのお調子トサカ

『それにしても…デカいねぇ東京体育館』

思ってたよりも大きかった東京体育館

人も沢山…耳栓持ってきててよかった…

研磨「A…大丈夫？」

『あーうん、耳栓持ってきてるから』

黒尾「んじゃ、しばらく付けとけこれから中入るし、お前の耳がお釈迦になられると困るしな」

『そうだね』

クロに言われるがまま

私は持ってきていた耳栓をつける

付ける前まで耳に流れ込んで来ていた無数の音は

多少なりとも軽減されたが、まだ少しうるさい

黒尾「…A〜」

『なに…って、うお！？』

クロに呼ばれたので後ろを振り向いた瞬間

耳をクロの両手で覆われる

え、なんかこれジャブ

『ビックリしたぁ…いきなり何？』

黒尾「いやぁ？こうやって覆った方がさっきよりも聞こえにくいだろ？」

言われてみれば

確かに周りの余計な音は聞こえなくなり

耳に入ってくるのは約1m近くの音だけ

『クロ、ナイス』

黒尾「だろぉ？」

夜久「お前ら早く来いよー！」

研磨「ほら、みんな待ってるし変な事やってないで早く中入るよ」

黒尾、A
「『はーい』」

先に歩き出した研磨を追って

私とクロは体育館の中に入った

1回戦の相手は

高知県代表の清川高校

第1セットはデュースが続いたが

29対27で何とか取る事が出来た

そして続く第2セット

『まぁ、この試合は取れますね』

猫又「そうだなぁ」

私達は守備の音駒の本領は

第2セットから発揮される

第1セットは観察

相手の攻撃スタイルや癖などを

注意深く観察する

そして迎える第2セット

1セット目で見極めた相手の攻撃は全てレシーブで上げる

打てば打つほど打つ場所が無くなる

穴は全て埋める相手に点を取らせないために

犬岡「ナイスレシーブっ！！！」

芝山「ナイスレシーブっ！！！」

清川のエースだいぶ消耗してきてる

畳み掛けるなら今このタイミングしかない

そう思っているのは私だけではなく

コートにいる音駒全員が同じ気持ちだ

黒尾「ワーンチッ！！！」

『ラスト福永！！』

音駒高校対清川高校

２対０で

音駒高校2回戦出場