音駒のマネは地獄耳！？(3) (ページ28)

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122話ページ28

時間が過ぎるのは早く

あっという間に外は暗くなっている

研磨「ピクッ！」

『っ！？』

今、日向から変な音がした

確かに日向は成長している、だとしても

こんな圧がくるか普通…

黒尾「いよいよ油断ならない感じになってきたなぁ」

研磨「うん」

『不思議だよね日向』

黒尾「ん？まぁ確かにチビちゃんは得体が知れないよな」

『うん日向からは、毎回新しい音がして面白い』

黒尾「…！なになにA、お前烏野のチビちゃん気に入っちゃった感じ？」

『日向は素直だからね』

研磨「素直すぎるところもあるけどね」

『そのせいか、日向は人一倍音が大きく聞こえるからね』

一日目の試合が終わり

片付けをしていると

一緒に片付けをしていたはずの優ちゃんが

いつの間にかいなくなっていた

『あれ、優ちゃんどこいったんだろ』

人見知りで人付き合いが上手いほうではない優ちゃんが

初の合宿で私から離れることはまず無いだろう

体育館から出て渡り廊下に出る

目を閉じてゆっくりと深呼吸

『優ちゃん、どこにいるの』

耳の横に手を当て耳を澄ます

すると体育館裏から優ちゃんと男の音が聞こえた気がした

『優ちゃんが男と2人で体育館裏に？ありえないだろ』

心配で今すぐにでも向かいたいけど

私一人が行ったところで、そこにいる男がもしヤバいやつだったら

私は何の役にも立たない

『っ！！クロ！』

私はクロの元に走った

急いで行かないと…

優ちゃんにもしもの事があったら…私は…！！

そう考えるだけで泣きそうで

目から涙が溢れそうになる

『クロっ！』

黒尾「…っ！A！おま、なんで泣いて…」

『優ちゃんが男と2人で体育館裏にいるの…！人見知りな優ち

ゃんが今日知り合ったばかりの人と2人でなんて絶対にありえ

ない！だからクロ一緒に来て！私一人じゃ何も出来ない！』

早く、早く行かなきゃ

優ちゃんが

優ちゃんが…

次の瞬間

私はクロにガシッと肩を掴まれ

クロに引き寄せられる

黒尾「A、大丈夫だ少し落ち着け」

『で、でも！』

黒尾「そんなんじゃ逆に浅霧に心配されちまうぞ」

『うぅ…』

黒尾「ん、いい子だな」

夜久「お前らどうした？」

海「なんか大声出てたけど大丈夫？」

研磨「A…！なんで泣いてるの？大丈夫？」

『大丈夫…』

体育館裏の中で騒いでいたので

騒ぎを聞き付けた自然と音駒のみんなが

続々と集まってきた