魔と人間のハーフの子(3) (ページ29)

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『………』

「あの…？」

『…単刀直入に言います、この屋敷にいる魔はかなり面倒なので貴方には荷が重いでしょう』

「ｯ…！」

『私は医師です怪我をしたり魔の力に当てられたら手当はします、ですが貴方を守りはしません』

『それでも、貴方はこの先に進みますか？』

これは確認

景がなぜこの人をここに寄こしたのかは知らんが

覚悟が無い人と仕事をする気にはならない

「……行きますｯ！！」

『…そうですか』

ここで答えられなかったり逃げ出そうものなら殴っていたが

なるほど根性はあるようだ

『まぁでも安心していいですよ』

「え？」

『貴女の仕事は報告書だけなので』

キョトンとしている彼女を横目に

私はホルダーから鉄扇を取り出す

『魔はおそらくこの中庭です、私が中庭に入ったら結界を張って下さい』

「で、でも！」

『ハッキリ言いますが、この場において貴女は私の足手まといです』

「ｯ……」

『なので、よく見ていてください』

私を先生と見ても学ぶことは無いだろうけど

まぁ、これからの心構えぐらいなら役に立つだろう

『行くよ櫻月風…』

さて、だだっ広い中庭に隠れてる恥ずかしがり屋はどこかねぇ

ま、力ずくで引っ張り出すか

『龍流櫻・二段・マメザクラ』

鉄扇を一振すると

桜の花がどこからとも無く舞い上がり

いくつかの風の柱を作り上げた

すると数本のうちの柱の中に

今回の祓魔対象と思われるものがいたので

私はそれに鉄扇を合わせて"斬る"

私相手に広いところに逃げたのが運の尽きだったな

さて、戻るか

「…す…すごい……」

『早く出ますよ、それと今日のことは他言無用です、報告書も適当に書いといてください』

「はい！」

素直だなこの人

さて…帰って景にたっぷり聞かせてもおうかね

どーせ研究室にいるんだろうし