魔と人間のハーフの子(3) (ページ22)

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『ごめ…なさ……』

『…めん…なさい…』

守りたかった

ただそれだけなのに…

弦月「…咲耶ちゃん」

『ごめんｯ…なさい…』

私のせいじゃないか

私が一番奪っているじゃないか

奪われる悲しみも苦しみも恐怖も分かってるのに

『ごめんな…さい…』

なんて…愚かなんだ

「咲耶…」

『…ｯ』

ﾎﾟｽｯ……

『景…？』

長尾「咲耶…」

急なことで戸惑ったが

どうやら私は今景の腕の中にいるようで

優しい景の匂いが私を包み込む

それだけでなぜだかとても落ち着いた

長尾「今までずっと…守ってくれてありがとうな」

『ｯ…』

長尾「お前はただ怖かったんだよな、目の前で失う辛さを知ってるから、それを繰り返したくなくて」

『景…』

甲斐田「実際僕らは二回も助けられてるしね、ありがとう咲耶」

『晴…』

弦月「いきなり叩いてごめんね、いつも僕らを一番に思ってくれてありがとう」

『藤士郎…』

景の腕の中にいる私の頭を

晴が優しく撫でて藤士郎は涙を拭ってくれる

長尾「今度からは俺達も一緒だ、お前一人じゃないみんなで一緒にな」

『みんなで…』

弦月「そう、皆でね」

甲斐田「一緒ならきっと大丈夫だよ」

『…うん！』

私は何をこんなにも恐れていたのだろう

私が守らなくとも大丈夫じゃないか

この人たちは強い…とても強いんだ

私なんかよりもずっと…

『三人とも大好き…！』

弦月「僕も咲耶ちゃん大好きだよ」

長尾「よっしゃ！今日は飲むぞ〜！」

甲斐田「いや昼間っから飲もうとすんな！」