魔と人間のハーフの子(3) (ページ12)

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それにしてもこんなにも大きな被害…

祓魔師の人も皆重体だった

知性がある魔には違いないだろうけど

一体どんな魔が暴れてるんだ…

しばらく走っていると

少し先の方から刀の音や

術式による攻撃の音が聞こえてくる

『皆さん無事です…か…ｯ！！』

禍々しい力が全身を包み込む

こんなの今までどこに…

弦月「咲耶…ちゃん…？」

『藤士郎…！』

声のするほうを見ると

魔の攻撃で動けなくなったのか

藤士郎が木に寄りかかって座っていた

弦月「なんで…こんなところに…」

『藤士郎怪我して…！！』

弦月「大した事ないよ…」

『待って今治すから』

私は藤士郎に向かって鉄扇をかざし

咲耶姫の力を使って傷を治したが

まだ動けないだろう

『藤士郎、晴と景は？』

弦月「二人は今あっちで魔と…って咲耶ちゃん！？」

藤士郎の指す先を見ると

二人は傷だらけになりながら魔と戦っている

それを見たらいてもたってもいられなくなって

私は二人の方へ走り出していた

『晴！景！』

甲斐田長尾「「咲耶！？」」

『二人は下がって、そのままじゃそのうち動けなくなる』

甲斐田「お前なに言って…！」

長尾「やめろ咲耶！」

『うっさい下がってろって言ってんだよ！！』

何を言っても聞かない二人と数人を隔離するように

二人の周りに治癒と隔離の結界を貼る

長尾「おい！咲耶！！」

甲斐田「開けろって咲耶！！」

『怪我人は黙って見てろ』

〘愚かな…一人でこの私に挑む気か？〙

目の前の魔は人型でやはり知性があるようだ

それに大きな鉈を構えている

『うるせぇよ…私の身内に手ぇ出しやがって』

『逃げられると思うなよ…雑魚が』

〘言うではないか小童風情がｯ！！〙

そこからは私と魔の激しい乱闘が繰り広げられたが

酒呑童子を一方的にボコった私からしたら

今回の魔は思った以上に物足りないぐらいだった

『はぁ…あんな大口叩くからどれだけ強いのかと思ったら…』

『遺憾…実に遺憾の極み』

〘ハッ……化け物が…〙

『私は…ただのハーフだ』

もう動くことは無い魔を掌握し

踵を返してもう怪我が治ったであろう二人の方へ向かった

『終わったよ』

長尾「お、おう」

甲斐田「なんか…もう呆気なさすぎて」

『取り敢えず怪我は治ってるみたいだね』

長尾「まぁなこれくらい…咲耶？」

『そっか…ｺﾞﾌｯ…ゴホッ…ガバッ……』

嗚呼…少し…

やり過ぎた……かな…