初雪、失恋したキミと

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ＹＯＵ






実行委員会のるっこが次の試合の審判をする為に立ち去った後、入れ替わるようにやってきた目黒。











「見てた？」




「うん。勝ってたねすごい」













座っている私に向かい合うように腰を下ろした目黒は捲っていた袖を伸ばす。











「動いてるとあったかいけど、やっぱさみいな」


１２月の昼間はいくら日向にいてもやはり寒い。
















「これ使う？」


暖を取るように両手を擦り合わす彼を見て、ジャージのポケットからカイロを取り出した。











「うわ、欲しい」





「あげないよ 貸すだけ」





「でもAが寒くなっちゃう」





「ずっと握ってたから私は大丈夫だけど」











すると目黒の視線が一瞬考えるように逸れた後、カイロを握っていた手に目黒の手が重なる。











カイロを包む私の手を包むように目黒の両手が覆い被さなった。













「ちょ、」





「これでどっちもあったかい」













お決まりのスマイルでまた許しを乞いたつもりなのか、その手に力が入って離れようとはしない。












「お前の手あったけぇ」













手のひらの中の温かさと、

手の甲から伝わる冷たさ。




目黒の手が温まる感覚と、


私の手が冷える感覚。













「調子乗りすぎ」











互いの温度が混じり合っていくのに、不快感は無くて












悪びれもなく笑う目黒をやっぱり嫌いになれない。












「お前の試合いつ？」





「次、体育館でバレー」





「見に行く」





「やだよ、来ないで」





「なんでだよ〜」










．









重なった二人の手は気付けば同じ温度になっていた。

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