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ドクンと大きく心臓が波打った。
「え、どうして」
振り絞った言葉は情けなく動揺を隠せずにいた
「どうして、かあ
それはAに聞いてください
俺が振られたので」
迷いなく受け答えをする彼の感情は読めない
目黒は少し考えて言葉を繋ぐ
「きっとAのことだから別れたこと自分から言えずにゴタゴタしてそうだけど」
その言葉に土曜に映画を観た日のことを思い出した。曖昧な態度とはぐらかされる答えの真意に気付いた。
「とりあえず俺とはもう終わってるので
Aとちゃんと話してみてください」
「目黒さんはいいんですか？」
「…？」
「俺のこと後押しするようなこと言って」
本心を隠そうと取り繕った笑顔が一瞬油断を見せた。分かるんだ、まだAに未練があることも強がってカッコつけてることも
三年前の俺みたいな空っぽの笑顔
「じゃあAと付き合わないで下さいってい言ったらそうしてくれるんですか？」
やっと見せた繕いのない顔は切なさと悔しさをちらつかせた。
「…なんて冗談です」
「もう良いんです。Aの相手は俺じゃなかった、それだけのことです」
聞き分けの良いように話してるけど本心じゃないことは分かる。
「これだけ聞きたいんすけど
Aのこと幸せに出来るんですか？」
真剣な顔と低くなった声色に背筋が自然と伸びた
怯むことはなかった。自然と自信が湧いてきたから
「一回手離した俺がいうと信憑性無いと思うけど」
「出来るよ。」
「絶対に、もう二度と手離さない
だから付き合わないでっていうお願いも聞いてあげられない」
真っ直ぐ見つめた目黒の瞳から力が抜けて柔らかく微笑んだ。
「完敗です」
そう呟いた直後遠くで目黒を呼ぶスタッフの声が聞こえてきた。
「…じゃあこれで」
「撮影頑張ってください」
「渡辺さんも」
きっと互いの言いたいこと伝えたいことはなんとなく察している気がするから
それ以上はお互い何も言わなかった。
離れていく彼の背中を見送って鳴り止まない心臓を落ち着かせながら俺も足を進めた。
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ななせ.。(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます^ ^これから切なさヒートアップしていくのでお楽しみに^ ^ (2020年4月17日 8時) (
レス) id: 556b37bac5 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごくキュンとします！せつないけど幸せになってもらいたいです(>_<)更新楽しみにしてます！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: b6de7731d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななせ.。
| 作成日時：2020年4月14日 16時
