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．
何度も重ねた唇が
何回も受け入れてきたその行為が
「…やっ」
キス、する。
そう思った時頭で考えるより先に身体が蓮を拒絶した。
「…、」
「あっ…」
押し返した肩と離れる身体。
ハッとしたときにはもう遅くて、
目の前の蓮の顔が今までにないくらい傷付いた顔をしていた。
「…ごめ、ん」
咄嗟に出た謝罪の言葉が余計に蓮を苦しめる
とても長い時間が流れた気がした。
無音の部屋に流れる重い空気に冷や汗が出た。
「Aは俺が好き？」
初めて聞いた弱い声が心臓を早くする
答えを選んでしまった私は本当に最低だと思う
「ここに引っ越してきてからAの気持ちが俺と同じくらいの大きさになってない気がするんだ」
「一時的なものだって信じたかった」
蓮は私の感情を全て察している。
言い訳も否定も出てこない
「好きなんだよね、渡辺さんのこと」
シリアスな空気を少しでも和らげようと蓮の声が柔らかくなった。
こんな時でさえ気をつかってくれる優しさに涙腺が緩んだ。
「…ごめん」
頷いて謝ることしかできなかった。
蓮は悲しそうに微笑んで息を大きく吐いた
「蓮の方が幸せにしてくれるんだと思う
翔太みたいに別れちゃうことも無いのかもしれない」
「…でもやっぱり翔太が、いいみたい」
三年前に振った元彼が好き、なんてすごく身勝手で最低なのに
目の前の彼は怒りも怒鳴りもせずに頷くんだ。
「悔しいけど、二人お似合いだと思う
俺じゃ作れない雰囲気とか関係がAたちにあるの嫌でもわかるんだ」
認めざるを得なくなった翔太への気持ちは
もう誤魔化すことなんて出来なくて
「あー、Aと結婚したかったなあ」
天井を見上げる蓮はぎこちなく笑っている。
無理に取り繕った笑顔と台詞が胸を痛めた。
「蓮と付き合えてすごく幸せだったよ」
そういうと、呆れたように眉を下げて私の頭をくしゃっと撫でて言った。
「別れる相手にそういう事言うのズルイよ」
うん、そうだよね。
蓮の瞳は別の言葉を望んでる
その言葉を言うのが私に出来る最後のコト。
．
「蓮、今までありがとう
…さようなら」
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ななせ.。(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます^ ^これから切なさヒートアップしていくのでお楽しみに^ ^ (2020年4月17日 8時) (
レス) id: 556b37bac5 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごくキュンとします！せつないけど幸せになってもらいたいです(>_<)更新楽しみにしてます！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: b6de7731d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななせ.。
| 作成日時：2020年4月14日 16時
