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．
エレベーターを降りてあとは部屋に入るだけなのに、何故かお互い別れを切り出さなかった。
「…翔太も充分ずるいよ
私の気持ちいつも振り回して」
雨の音にかき消されそうなくらい小さな声。
「私がどんな気持ちで別れよって言ったか知らないくせに」
「…？なんて言っ」
「なんでもない。ごめんありがとうジャケット」
早口にそう言ってジャケットを押し付ける。
ここで帰したらダメな気がして
気付いたらAの細い腕を掴んでいた。
「聞いても良い？」
「…な、に」
制御の効かない気持ちが
踏み込んではいけない質問をしようとしている。
「三年前、俺のこと嫌いになって振ったの？」
今からでも遅くない。
ここでキッパリもう一度振ってくれたら諦められるかもしれないから
なのに、俺の求める答えはくれないらしい
黙り込んだAは俺に背を向けたまま
「A、」
「…だったよ」
「え？」
濡れた肌は身体を冷やしていくのに
こんなにも君の言葉は俺を熱くするんだ
「好きだったよ
別れた時も、別れた後も」
「やっと吹っ切れたって思ったのに」
苦しいくらいに早く動く心臓
溢れてしまいそうだった。
ずっと消化出来なかった昔の気持ちと
再燃し始めた今の気持ちが
「A、俺＿＿」
喉まででかかった言葉は雨音じゃない
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「A？」
自分が主人公だと思って疑わなかった。もっと早く気付くべきだったんだ
彼女の名前を呼んだのは聞き馴染みのない男の声。
全てがスローモーションに見えた
振り向くAの視線の先。
傘を持ってこちらを見る背の高い男。
「あ… れ、ん」
急いで離れる腕に、上擦る声に。
「おかえり
…お隣さん？」
「あ、うんそう…
駅で会って一緒に帰ってきたの」
にっこり微笑んだまま俺に視線を移すとこちらに歩いてくる。
名乗られるより前に気付いてしまったんだ。
ああ、この人は
．
「はじめまして
Aの彼氏の目黒蓮です」
＿今のAの大切な人なんだって。
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ななせ.。(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます^ ^これから切なさヒートアップしていくのでお楽しみに^ ^ (2020年4月17日 8時) (
レス) id: 556b37bac5 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごくキュンとします！せつないけど幸せになってもらいたいです(>_<)更新楽しみにしてます！ (2020年4月17日 1時) (レス) id: b6de7731d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななせ.。
| 作成日時：2020年4月14日 16時
