７：０３、バス停で

DAY 15 ページ15

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ＹＯＵ ＳＩＤＥ








「今日数学の時に康二が爆睡して先生にブチ切れられてた」




「ははっ 康二くんらしい」









いつもより二時間も早い帰りのバス

帰りも会えたりしないかな？微かな希望は現実になって隣には朝みたいに目黒くんがいる。






目黒くんと話すの楽しいんだよね〜
こうして友達になれて嬉しくて毎朝図々しく隣に座ってる笑









お互いの学校の事を話せばあっという間に私たちの家の最寄りに近付いた。


目黒くん越しに見えたガラス
大きな水滴が窓の外を濡らしていた









「雨？」





「あー降ってきちゃった、タイミング悪」





「嘘、傘忘れちゃった」









予報、雨だったっけ
目黒くんが傘を持っていたのはそういう事だったのか。

そうな事を考えているうちに停車したバスは扉を開く。 屋根付きの停留所に降りて空を見上げる。









「あー、割と降ってるね…」





「家遠い？」





「んー、走ればすぐかな

このくらいなら傘なくてもいいや」






「結構濡れるよ、入っていけば？」






「いいよ帰るだけだし

それに目黒くん家すぐそこじゃん」









この前バス停から歩いて三分って言ってた

私はもっと奥に住んでるから一緒に帰っても限度がある。



…よし、走って帰ろ

鞄を担ぎ直した時、バサッと大きな傘が隣で開けば

ブレザーの袖が控えめに引っ張られて傘の中に引き込まれた。









「風邪ひかれて学校休まれたら困る」






「…学校違うじゃん」





「登校、Aちゃんいないと寂しくなるから」









やっぱり目黒くんはモテると思う。

女の子の喜ぶこと分かってるから









「家まで送らせて」









ブレザーの袖を引く手に少し力が加わって離れていく。
目黒くんは進行方向に身体を向けてしまったからどんな顔をしていたのか分からない。







知りたかった

どんな顔で、どんな気持ちでそういう事を言うのか。









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「俺が、もう少し一緒にいたいから」

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