７：０３、バス停で

DAY 5 ページ5

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「めめちゃんおはよー！」



もやもやした気持ちのまま登校すると
朝のテンションではない上がり様で絡んでくる向井康二。









「はよ」





「…？ あれなんかテンション低めー？」









そう言って俺の肩をつんつん突く。

俺が低いのか彼が高いのかもう分からないところだけど教室まで歩く廊下、何となく聞いてみる。









「雪ヶ丘高校に知り合いっている？」






「雪ヶ丘？あーおるおる！ひとり

俺のバイト先に同じ歳の雪校生おるわ！」





「へー それ女？」





「いやバッチリ男」





「ふーん」









仲良い友達のバイト先の知人が好きな人でした、なんて漫画みたいなことは無いか…


自分から聞いといて適当な返事をした俺を気持ち悪いニヤけ顔で見る康二









「なになに、誰か探してるん」





「別に」





「ふーーん

探してるならそいつに聞けるのになー」









わざとらしく声を大きくしてつまんなさそうに前を歩く。


手っ取り早く彼女を知れるかもしれないけど
それをしないのは









「自力で頑張るし」



康二絶対好きなタイプだろうし可愛いって言うの目に見えてるから意地でも知られたくない









．









思い出す今朝の出来事。









初めて聞いた声が

初めて見た笑顔が。





またひとつ、君を知れた気がして

頭からずっと離れない。

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