微睡み【占い師】 (ページ5)

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クラークさんとお茶をして、かなりの時間が経ったような気がする。、
気付けば自室のベッドで眠ってしまっていたみたいだ

クラークさんに謝らないと。

空気が張り詰めたように冷たい

昨日まではこんなに寒かったかしら？なんて思いながらもぞもぞとベッドの傍にあるブランケットを取ってくるまった
コンコン、とノックのする音。

間もなくそっと顔を覗かせたのは心配そうな顔をしたエミリーだった

「…起きたのね、充分寝られたかしら。今日は肌寒いから皆に少し暖かいものを作っていたのだけれど、今は食べられる？」

『えぇ、ありがとうエミリー。嬉しいけれど私、先にクラークさんにお茶会で眠ってしまったこと謝らないと。』

呼んできてくれる？と聞けば、少し眉を下げて頷くエミリー。
クラークさんを呼ぶ事に何か難しいことでもあるのかしら

エミリーが出ていってまた、部屋の空気がひんやりと冷たくなった
このまま足の先から蝕まれていきそう、だなんて

血の通っているのか通っていないのか分からないほど白くなった足先を見てふとそんなことを感じた

「起きたのか、ローズさん。ゆっくり休めたかい？」

いつの間にかドアの前に立つクラークさんに吃驚して飛び起きると、慌てて心配そうに駆け寄る
嬉しい、なんて感情がどこからか湧き上がるのを必死に抑えながら頷いた

そして謝罪の言葉をひとつ零した

クラークさんが誘ってくれたお茶会を充分堪能出来なかったこと、お話の途中に眠ってしまったこと、、、

「そんなこと言わなくていいんだ。君が楽しんでくれて、幸せな気持ちで眠りにつけたのならそれでいいじゃないか」

少し驚いたあと、優しい笑みでそういう彼
冷たかった身体に熱が戻り始めるのを感じる

ナチュラルにそんなことを言ってのけるクラークさんが憎たらしい

冷たく壊れそうだった私の足先は生気を取り戻したように薄ピンクに色付いていた