微睡み【占い師】 (ページ3)

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薄明の頃合、ふと1人で外を歩きたくなって館を出た
11月も中頃の秋という季節にしては暖かいような、心地の良い風が吹き抜けていくのを肌で感じながらゆっくりと足を進める

昨日、あれから試合に出たはいいものの窓枠で恐怖の一撃を食わうわ、折角補助に来てくれたクラークさんとマーサを巻き添えにしてしまうわで散々だった
…今日はゲームなど到底する気になれない

『はぁ……、』

思わず深いため息が出た

頑張れば頑張るほど空回るのは昔から変わっていないこと
いい所を見せようと頑張る程、恥を晒したくないと偽る程、私はどんどん自分から悪い方に進んでいってしまう

あの時だって…なんて、朝からまたネガティブ思考に持っていくのはやめようとほっぺたをペチっと思い切り叩いた

『いっ…』

「何をしているんだ、君は」

くすっと笑いながら歩いてくるのはまた、彼
恥ずかしい所を見られてしまった思いで軽く頬を赤らめながら彼に歩み寄った

『おはようございます、クラークさん。ちょっと気が滅入ってしまって、無理矢理にでもリセットがしたくて』

照れ笑いを浮かべそう彼に伝えると無理はしないでくれ、なんて言って直ぐに何処かにいってしまった
全く神出鬼没とは彼のことを言うのだろうな。

モヤがかかったような、落ち着かないような気持ちが再発しさっきとはまた違う悩みに駆られた
が、気にしない。平気なフリをすれば平気なのだから。