第38話 ページ39
『私そろそろいくね?』
凪「えー」
御影「あぁ、またな」
全員に渡し終えてから、玲王に持ってもらっていた籠を受け取って、チームZの部屋へ向かった。
『あ、二子くん!』
途中で二子くんを見かけたので、声をかけてみた。
ニ子「Aさん!」
『二子くん、嬉しそうだね?』
ニ子「さっき試合に勝ったんです!」
『おぉ、おめでとー!あれ、そういえばさ、二子くんって前チームZと戦ったんだっけ?』
ニ子「う、はい。」
『?どうしたの?』
ニ子「まぁ...負けましたけどね」
『あっ、あぁ...』
ニ子「お陰でかなりの屈辱受けましたよ...あ、あの時はAさん、まだここに来てませんでしたよね?」
『うん、途中参加だからねー、』
二子「でも、あのときあなたがいなくてよかったです」
『え、え?!なぜ?!』
二子「負けてるところなんて見てほしくないですから」
うっ、可愛い。なでなでしたい。
撫でたい気持ちをグッと抑えて、伸ばしかけた手が空中で行き場をなくして、ワキワキと動いている。
ニ子「...?なにしてるんですか....?」
『なんでもないよ』
ニ子「...あっ」
『んー?あっ、蜂楽くーん』
廊下を歩いている蜂楽くんがこちらをチラッとみていたので、私は手を振った。
蜂楽「...」
蜂楽くんは少し笑って、すぐ戻って行ってしまった。
『....どうしたんだろう。』
あれ、今なんかちょっとモヤッとした。
二子「..何かあったんですか?」
『いや...なにも...』
ずっと喋らない二子くんの顔を見ると、少し口角が下がっていたが、目が隠れているのでちゃんとは表情を伺えなかった。
『二子くん?』
二子「あ、なんでもないですよ。」
『そう?じゃあ私戻るね?』
二子「はい、また。」
二子君にバイバイをした私は、すぐにチームZの部屋へ向かった。
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作者名:みぃ | 作成日時:2022年12月1日 18時