第31話 ページ32
うーん、最近調子が良くない。
体調が悪いと言うか、落ち着かない?というか。
やっぱ久遠くんの一件があったからなのだろうか。
あれで、私は改めてここ、ブルーロックのイカれ度合いをしみじみと感じた。
仕事はボーッとして進まないし、よく自分の持ち場を離れてお兄の所に遊びに行くと怒られるし。
(仕事をしろと追い出される。)
また前の役立たずに逆戻り。虚しい。
あれこれ考えながら、上の空でバケツを運んでいた。
ツルッ
あれっ、これ、転ぶ。
さっきちょっとこぼしたバケツの水で滑って、私の体は宙を舞った。
バシャッッ
『あっっっ........』
凪「!!」
どうしよう。ちょうど目の前を横切ろうと角から出てきた凪くんに、バケツの水をぶっかけてしまった。幸い隣にいた御影くんにはかかっていない。
『や、やだ、ご、ごめんなさ....』
私の顔はみるみる青ざめていく。手が震える。最低な失敗をしてしまった。
選手のサポートをするどころか、迷惑をかけてしまった。これで風邪でも引いたら...
私は既に半泣きだった。
『ご、ごめ、なさい...私...』
凪「A!大丈夫...?」
御影くんが凪くんの上着を持っていたのだろう。凪くんはそれを引ったくるように取って、私にかけてくれた。
『え...』
凪「Aも濡れてる...大丈夫?」
たしかに私の頭から上半身までも綺麗に水がかかっていた。
それでも。全身に水を被った凪くんのほうがこれを着るべきじゃないのか。
『でも!凪くんのほうが...』
凪「俺は別にいいよ。それよりも、A寒いでしょ。これ着てて。」
御影「おい、凪...」
そう言いながら出したハンカチで凪くんの頭を拭きながら、御影くんが私を睨んできた。
『!!ご、ごめんなさい』
凪「もう謝んなくていいから。風邪ひいちゃうからシャワー浴びてきなよ」
『うん...』
なんでこんなに優しくしてくれるんだろう。
御影くんは...相変わらず怖い顔をしてこちらを見てきた。
ごめんなさい...
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作者名:みぃ | 作成日時:2022年12月1日 18時