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第17話 ページ18

思わず走って逃げてきちゃったけど、どうしよう。
私の心の中は空っぽだった。
まさか久遠くんが裏切るなんてまだ信じられなかった。

凪「A...?なんで泣いてるの...?」

試合終わりなのか、少し汗をかいた凪くんが心底心配そうに話しかけてきた。

『あ、凪くん...』

あれ、どうしたんだろう、涙、止まんない...。

こんな姿見せたくないのに。

凪「...ねぇ、A、膝枕して、俺は寝てると思っていいからさ、Aの話聞かせて?」

ーーーーーーーーーーーーーーー

凪くんに全てを話している間、何も言わず、ただ黙って私の膝の上で、話を聞いてくれた。

『凪くんごめんね、こんな話...』

凪「いいよ、すっきりした?」

『うん。ありがとう。』

凪「ねぇA、俺さ、いつも相談とか聞くのめんどくさくてやだけど、Aの話聞くのはめんどくさくなくなる、なんでかな。」

そう言いながら凪くんは私の顔を覗き込んできた。多分目が腫れてるだろうからあまりじろじろ見てほしくはないのだけれど。

ーーーーーーーーーーーーーーー

蜂楽side

蜂楽(...Aちゃん、どこいったんだろ、)

俺は走って出ていってしまったAちゃんを追いかけていた。大丈夫かな、見つけたら慰めてあげよう。そう思って小走りで探してると、啜り泣く声が聞こえた。

蜂楽「Aちゃんだ...!」

俺はほっとして声が聞こえる方に向かった。

蜂楽「あれ...」

A『ありがとうね、凪くん、話聞いてくれて。』

蜂楽(...なんであいつに膝枕してるの?なんでそんな笑顔を向けてるの?)

そのとたん、俺の中で何か詰まるような、苦しいような、なにかが湧き上がってきた。なんだろう。これ。

どうしようもない気持ちになって、俺はその場を走り去った。

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作者名:みぃ | 作成日時:2022年12月1日 18時

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