ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ9)

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9.愛想ページ9

黎弥side

「おはようございます、星野Aです。今日から少しの間よろしくお願いします。」

初めて見た、ダンサーの中でも素顔を知られていないと有名なほっしーさんは噂通りマスクを付けていて、素顔を見ることは出来なかった。

ほっしーさんが来てからすぐ始まった振り落とし

彼女の教え方は凄く上手かった。

なのに、全然着いていけてない自分の実力の無さに段々と腹が立ってきた。

ほっしーさんがずっと俺の事を見てるのにも気づいてる。
多分、俺が1番ミスってるからだろう

「…えっと…せ、ぐち？さん？、ここはこうじゃなくてこの角度で手はちゃんと…」

黎「……」

「…あ、あの」

黎「あ、大丈夫です。ありがとうございます」

優しく教えてくれようとしただけなのに、なんかめちゃくちゃ悔しかった

「……えーと、一旦休憩にしましょうか」

悔しいと同時に恥ずかしいとさえ感じた

ほんと俺だっせぇ…

ほっしーさんがリハ室を出たのを見計らったかのように、夏輝くんが水を2本持ってリハ室を出た。

颯「なんで澤さん2本も持ってるんやろ？」

世「Aのじゃない？」

大「差し入れ！？澤だけ株上がるじゃん！ずる！」

スマホをいじっていた夏喜が立ち上がり、トイレにでも行くのか扉に向かった

大「ほっしーちゃんずっとマスクしてるけど絶対可愛いよね！」

急にそんな話を始めた大樹くんに皆がうんうんと頷いた

颯「目元だけ見たら清楚ギャルっぽいし、黎弥くんのタイプっぽそうですけどね！髪も明るめやし！」

黎「え？俺？笑俺はもうちょっとボンキュッボンみたいな子がタイプだよ、あと愛想がいい子ね」

半分は冗談、半分は本当だ

やっぱり女の子は愛想がある方が可愛い
ほっしーさんはまったく笑うことすらなかった

ｶﾞﾁｬ

堀「……あ」

「…あどうも…」

メンバー全員が扉に注目した

そこには気まづそうに立っているほっしーさんと、ニヤニヤした顔で立っている夏輝くん

視線を感じ勇征を見れば

勇「ぁ-ぁ…」

そう言って苦そうな顔をした。

俺だって最近で1番後悔した瞬間だよ

「……そろそろ続きやります」

彼女はそうやって知らない振りをした