36.ハングリー ページ36
Aside
玲「うわーめっちゃ良いじゃん」
踊り終わって黎弥から受け取ったスマホを囲み、皆が画面に集中している中、隣に立つ黎弥に目を向ければバチッと目が合いすぐに目を逸らした
玲「インスタ載せていい？」
「…私も載せようかな〜、」
夏「え！」
隼「Aのインスタ投稿１個しかしてないのに、これ載せてくれんの？光栄です！！！」
なんて、よく分からない隼のノリ
「……お開きにしよっか」
隼「無視ー！」
昔と変わらない隼を横目で見ながら、帰宅の準備をする
黎「今から帰んの？」
「うん、帰るよ」
黎「待ってて、俺も一緒に帰る」
そう言って足早にスタジオを出ていった黎弥
夏「今日は、本当にありがとうございました！めちゃくちゃ勉強になりました！」
「こちらこそ。すごく楽しかった」
玲「今度他のメンバーとかも呼んでバトルでもしようよ」
「いいね」
次の予定を立てながらスタジオを出て、お疲れ様〜 とそれぞれに別れた
黎弥に待っててって言われたけど、ここで待ってていいのかな、
スタジオを出てすぐ目の前にあるソファーに腰をかけ、忙しなく前を通るスタッフさんたちを眺めながら黎弥を待った
黎「ごめん！先輩に捕まっちゃって遅くなった！」
「あ、うん全然大丈夫だよ。」
黎「ありがとう、帰るか〜」
エレベーターに乗り込み、１階のボタンを押し
静かな箱の中で2人並んで着くのを待つ
そんな時だった
ｸﾞｩｩｩｩ
私のお腹が鳴ったのだ
黎「え、今お腹鳴った？」
「…鳴ってない」
黎「ええ？うそだ腹減ってるんでしょ！」
「減ってない！」
隣で大笑いしてるこの男。本当デリカシーない
黎「そんな嘘つかなくても笑」
「嘘ついてない」
黎「あっそー、今から飯でも誘おうと思ってたのにー」
エレベーターを降りて、意地悪そうな顔をして振り返った黎弥
その瞬間、なぜだか再びうるさくなった鼓動
心臓がキューっと痛い
恥ずかしくなって、黎弥を追い抜いて先に事務所を出た
黎「いや顔赤すぎ、ごめんって意地悪しすぎた」
振り向けば、少しだけ申し訳無さそうな表情をしている
「……行きたい」
黎「ん？」
「ご飯！…行きたい…」
黎「……ふっ…あっはっは！」
どこに笑う要素あった？
黎「ツンデレかよ」
そう言ってまた黎弥は、クシャッとした顔で笑った
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作者名：まここここ | 作成日時：2023年5月27日 23時
