ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ32)

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32.祖母ページ32

Aside

結局、瀬口さんとは
マンションに着くまで手を繋いだまま

手が離れた瞬間、ほんの少しだけ寂しいと感じた。

なに……？なんかついてる？

何故か瀬口さんは、私の手をボーッと見ている

「…瀬口さん？、」

黎「あ、いやなんでも……瀬口さん？え？瀬口さん呼び？笑」

「え、なに？」

何をそんなに驚いているのだろうか
今までそう呼んできたよね？

黎「敬語は外してんのに、名前は苗字呼びってなんかおかしくない？笑」

「……ほんとだ、タメになってんの気づかなかった、」

いつからだろう、、知らない間に敬語を外しちゃってた

黎「名前で呼んでよ、黎弥って」

「……黎弥」

黎「うん、そっちの方がしっくりくるわ笑」

この日、黎弥との友人としての距離が少し縮まった

自宅へ戻り、すぐにシャワーを浴びる

黎弥……黎弥……

「れいや…」

なぜだかウキウキしてる

浴室を出て、洗面所の鏡に映る自分と目が合った

「え、気持ち悪、、」

なんでこんなにニヤけてるの私

その時ふと思い出す右手の感触

なんでまた黎弥の事思い出してんの

はぁ…なんか頭の中黎弥の事ばっかりで気が狂いそう

早く寝よ、

泣いた疲れもあったお陰で、その日はすぐに眠りについた。

次の日、キャバクラの仕事を辞めた。

お世話になった栞さんは最後まで優しくて、前にちょこっとだけ話をしていたダンサーの仕事を応援してくれた。

その後、ある人の所へ向かった

父の母、いわゆる私の祖母の所へ。

父は祖母の言うことには逆らえないとは少し聞いたことがあったから、父の相談をするにはもう祖母しかいないと思った。

10年振りに会った祖母は相変わらず綺麗で、この人から父が生まれたなんて想像もつかないくらいしっかりしている

父の借金のことや、肩代わりさせられたことを全てさらけ出した

すると祖母は父の代わりに何度も何度も謝り続けた。

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「…あれ、何してるの」

祖母の所から自宅へ帰宅すると、マンションのエントランスで待っていたのは夏輝くんだった。

澤「Aのお父さんから全部聞いたよ」

「……そうなんだ」

澤「A、色々気づいてあげられなくてごめんね」