ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ30)

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30.お父さんページ30

夏輝side

Aのお父さんからの連絡があったことを伝えれば、繋がっていることに焦っている様子

今までに見たことないくらいの強ばった顔で、連絡先を消去するように要求し、項垂れた。

澤「…Aいい加減全部話してよ」

「……夏輝くん、今日は帰ってくれないかな。今は誰とも話す気分じゃないや。」

澤「…むり。マジで俺怒るよ。」

Aをじっと見つめれば、泣きそうになっている

前まではこんなことで泣くようなAじゃなかった

だいぶメンタルが弱っているんだろう

だけど、なんで？

俺はそれが知りたいんだよ。
Aは一体何を抱えてんの？

何をコソコソと隠してんの？

澤「そうやってずっと1人で悩み抱えるつもりなの？そんな風に拒否られるとこっちだって傷つくんだけど。何でも自分1人で解決出来ると思ってんの？」

Aへの不満は止まることなく、自分の感情を思いのままにぶつけてしまった

Aの見開いた目からポロポロと落ちてくる涙を見てハッとした

澤「あ…ごめ、」

「……夏輝くんにはわかんないよ！拒否られると傷つく？なら私に近づかないで！早く出てってよ！」

泣きながらAはそう言った

澤「……わかった。Aが言いたくなるまで待つよ。」

それだけ言い残してAの家を出れば、ある人に電話をかける

Aのお父さんだ

喫茶店で会う約束をして、その日のうちにAのお父さんに会った

父「考えてくれたのか？」

澤「…その件なんですけど、Aに何をしたのかちゃんと聞いてから考えてもいいですか？」

父「…何をしたって、」

分かりやすく、目が泳ぎだした

澤「……黙るんですか。」

父「…Aに借金肩代わりしてもらっただけだよ」

澤「なんで…Aに、」

父「女は自分の体でも売っとけば金なんてすぐ稼げるだろ」

衝撃的な言葉だった

そんな最低な理由でAに押し付けるなんて

澤「……すみません、お金は貸せません。」

父「…君なら俺の辛さわかってくれると思ったのに」

澤「僕はAが大事なので。Aを傷つけるのが実のお父さんであっても許せません。失礼します。」

Aが最近変な理由がやっとわかった

夜の仕事してるんだ。

お父さんと話をして、Aの全ての行動が腑に落ちた

なんで何も教えてくれないの。

なんで、Aは1人で抱え込むんだよ