29.バレバレ ページ29
夏輝side
《Aさんが！ー･･》
澤「A？」
颯「え、Aさん？」
リハ終わり通話中の黎弥のスマホからは、確かに A と呼ぶ声が聞こえた。
かなり焦っている様子の慧人の声
黎「慧人落ち着けって、今どこ？」
それだけ聞いた黎弥は、すぐにスタジオを出ようとする
澤「黎弥！Aがなに？何かあった…」
黎「急ぐから」
ﾊﾞﾀﾝ
静かに閉じた扉をただただ見つめた
Aって、Aだよね？
夏「え、まじでなになに？どうしたの黎弥くん」
颯「ただ事じゃなさそうですね、Aさんの事かな？心配なんですけど笑」
笑う余裕なんて俺にはない。もし本当にAだとしたら、何があったのか…よっぽどの事がない限りあんなに焦ったりはしないだろ、
なんで呼ぶのが俺じゃないんだよ…ふざけんな慧人
なんて、Aの彼氏でもないのに心の中で慧人に八つ当たりをした
自宅への道中も、何度かAに連絡してみるが応答もしないし既読にもならなかった。
その日の夜はAの心配と、呼ばれたのが俺じゃ無かった事のモヤモヤでほとんど眠れなかった。
起きてすぐに、Aの最近の不可解な行動や言動を思い出す
Aにしては珍しい友達との遊び
信じられないくらいインドア派のAが？遊びに行くかな、
いやでも、Aと俺が会ってない期間とかもあったしその間に…なんてことも考えた。
その時、Aのお父さんから電話がかかってきた。
この間家の近くでバッタリ会ってから、連絡先の交換を強くお願いされ、仕方なく交換した。
父《夏輝くん…お願いがあるんだけど…妻の墓の修繕費で50万ほど貸してくれないか…こんなお願い、恥ずかしいのはわかってる。だけどAにも言えなくて俺1人で…しんどいんだ…》
そんな内容だった。
澤「一旦待ってください。」
そう言って切り、とりあえずAと話すためAの家に向かう
Aの部屋に上がらせてもらえば、今までのAの趣味とは程遠い服や靴が並べられていた
綺麗好きなAなのに、結構な部屋の散らかし様
Aが大変な状況にいることはすぐにわかった
それもお父さん絡みな事も。
遠回しに色々質問してみては、案の定しらを切るA
バレバレなんだよ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まここここ | 作成日時：2023年5月27日 23時
