ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ28)

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Aside

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

あれ……私あの後寝てたんだ…

泣き疲れて寝るとか……子供みたい、

はぁ〜…

自分の子供っぽさに落胆しながら、恐る恐るインターホンの画面を覗く

お父さんじゃないよね……なんてさっきの事がトラウマになっている

……あれ夏輝くんだ、

「はい」

澤《あ、居た〜これ一緒に食べよ〜》

本当にマイペースだな、

この後の用事も無いし、断る理由も無いから仕方なく部屋に入れてあげた。

澤「お邪魔しまーす」

「どうぞー…」

澤「久しぶりに来たな〜なんか部屋散らかってるね」

「……来る前に連絡してくれたら、もうちょっとマシだったよ」

澤「……Aこういう服好きだっけ？」

そう言って指をさしたのは、ハンガーに掛けられた丈の短いタイトなワンピース

夜の街の正装と言っても過言では無い

「あーそれ友達のやつ…」

今までデニムか、ダボッとしたジャージとかしか着てこなかったからなのか、すぐに勘づかれた

澤「……」

「…なに？」

私の目をジーッと見て逸らさない夏輝くん

澤「うそつき」

「…何が？」

澤「Aさ普段話す時はちゃんと人の目見て話してんのに、嘘ついてる時は絶対目逸らすから分かりやすい」

「…」

澤「今日Aのお父さんから連絡あってさ、」

「…は？繋がってるの？なんで？早く消して！」

澤「ちょ、A落ち着けって。この前家の近くでバッタリ会ってさ連絡先交換してくれって…それで、お金貸して欲しいんだって。俺にしか頼れないって言ってたけど…」

「まさか…貸してないよね？ねえお願いだから、あんな奴とは関わらないで…お願い、」

澤「貸してないよ、、Aいい加減全部話してよ」

項垂れている私に、夏輝くんは優しく声をかけてくれた

だけど、私は首を横に振り夏輝くんを拒んだ。

今まで散々、夏輝くんの優しさに甘えて助けられてきたからこそ、これ以上迷惑はかけたくなかった。

「……夏輝くん、今日は帰ってくれないかな。今は誰とも話す気分じゃないや。」

そう言えば素直に帰ってくれると思ってた。

だけど

澤「…むり。マジで俺怒るよ。」

そう言った夏輝くんは、いつものヘラヘラした夏輝くんじゃなく少し怒った顔をして、まっすぐ私を見つめた。