ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ25)

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25.呼び出しページ25

黎弥side

颯「僕はこの曲歌いながら踊りたくて、」

そう言って颯太がピックアップしたのは

俺と夏喜、世界さんと夏輝くんだった

夜遅くまで、振り確認や打ち合わせをしていた

世「そろそろ終わろうか」

世界さんのその言葉で今日のリハは終わり、それぞれ帰りの支度を始めた

スマホに電源を付け、時刻を確認

うわ、0時過ぎてるじゃん…

それと同時に画面に表示された着信履歴

黎「え、慧人から不在着信4件も来てんだけど」

颯「えー！慧人が電話めずらし！」

夏「なんか黎弥くんに怒られるようなことしたんじゃね？笑」

最後の不在着信が5分前

すぐに電話をかけ直した

1コールもしないですぐに繋がり、めちゃくちゃ急ぎの用事なのはわかった

慧《黎弥くん！お疲れ様です、あの！Aさんが、》

澤「A？」

颯「え、Aさん？」

スピーカーにもしていないのに慧人の声がでかすぎて、その場にいたメンバー達にも聞こえていた

慧《えっと、…あの今外にいて、なんかもうAさんが、》

黎「慧人落ち着けって、今どこ？」

慧《えっと……新宿の…》

場所だけ聞いてすぐに向かう準備をした

澤「黎弥！Aがなに？何かあった…」

黎「急ぐから」

それだけ言い残してすぐに事務所を飛び出しタクシーへ乗り込んだ

夏輝くんのあの焦った顔が頭から離れない

……そりゃ、仲良いもんな。なんか…モヤモヤする

何この感情、意味わかんねえ。

タクシーに乗ってから20分くらいで着いた新宿は、すっかり夜の街になっていて、わいわいと男女が行き交っている。

ありがとうございましたとお金を払ってタクシーを降りた

慧人が教えてくれた場所に走って向かっているとどんどん人通りは少なくなっていき、静かな路地裏でベンチに座ってる2人を見つけた

黎「慧人！」

慧「黎弥くん！」

慧人の肩にもたれかかってスヤスヤ眠っているA

慧「来てくれてありがとうございます、、本当は夏輝くん呼ぼうとしたんですけど、Aさん寝ながら瀬口さんって呼んでたんで……」

黎「そ…うなんだ……」

…………何それ

何で…なんで俺の名前呼んだの

ただ単に家が近いから？
ぐでんぐでんの状態でそんな判断できんの？

黎「…とりあえず連れて帰るわ」

Aをタクシーまでおぶって、タクシーに乗り込む時に慧人と別れた。