ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ22)

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22.所詮他人ページ22

Aside

黎「夏輝くんは知ってんの？」

……言えるわけないじゃん

黎「はぁー…無視？」

下を向いて黙り込んだ私を睨みつけ、ため息をした瀬口さん

…なに、何で瀬口さんが怒ってるの

本当にわからない。

お父さんの事を気にしてる夏輝くんも、キャバ嬢になる理由をしりたい瀬口さんも。

「……………じゃん」

黎「なに？」

「所詮他人なのに、何で皆私に構うの？もうほっといてよ！」

ソファに置かれていた私のバッグを手に取り玄関を出た

おい！と焦った声の瀬口さんの言葉も無視した

すぐ近くにエレベーターがあったため、マンション内で迷うことはなく外に出れた

「…うそ、」

マンションから出たら見覚えのある街並み

すぐそこには自分のマンションが見える

めちゃくちゃ近所だったんだ……

そのまま帰ろうとしたが、鍵を持っていないことに気づきタクシーを拾ってキャバクラの店へ向かった。

タクシーの中で怒った顔の瀬口さんを思い出しては、モヤモヤした。

昨日会ったばっかなのに……何であんなに怒ってんの
関係ないじゃん。

なんて、心の中で不満を愚痴る

でも……介抱してくれたんだよなぁ…お礼言わなきゃいけなかったのに、

なんて、きつく当たった事を後悔した。

お店に着けば夜の賑わいは無く、ボーイさん達がただ片付けをしている最中だった

？「…あれ、ももさん？」

私に気づいたボーイさんが声をかけてくれた

名札を見れば、新谷と書いてある

お客さん達相手にするのに必死でボーイさんのこと全然覚えれてなかったや

「…あ、すいません…ロッカーに忘れ物しちゃって……」

新「あ！どうぞ！」

そう言ってロッカールームに通してもらい、無事に家の鍵を見つけることができた。

新「俺が言うのも何ですけど、ももさんがキャバ嬢なったらめちゃくちゃ人気になると思います。だから…その正式に始めてくれるの待ってます」

ももさん……やっぱり違和感しかないや

「……ありがとうございます。」

それだけ言って店を出た。

やるかやらないかを迷ってるわけじゃない

借金返済の為には、やらなきゃいけないんだから。

だけど……

「やりたくないな……」

なんて甘えかな

外で待ってもらっていたタクシーに再び乗り込み

自宅に向かった。