ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ13)

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13.必要ないページ13

Aside

予定時間を1時間も勘違いして早く着いてしまい、スタジオにはぽつんと1人。

せっかくだからと、適当に音楽を流して鏡の前に立つ

昨日のお父さんとのことを忘れるため、ひたすら踊った。

かなり夢中になっていて、瀬口さんがスタジオに入っていることに気づかなかった。

今来ましたなんてのが嘘なのは瀬口さんの表情でわかった。

一緒に踊りませんか…なんて提案も絶対に断られると思っていた。

だけど、瀬口さんはお願いしますと答えたのだ。

とりあえず、最初から最後まで通してみれば昨日出来ていなかったところが完璧に踊れている。

昨日公園で話しかけたことに怒ってると思ったから、ありがとうと言われるのも教え方上手と言われるのにもびっくりした。

そのあと瀬口さんが何かを言いかけた時、スタジオの扉が開いた。

おはようございまーすと言ってゾロゾロ入ってくるメンバーさん達

私の顔を見ては驚いた顔をして、堀さんなんかは、「えっ」
と声に漏れていた。

……昨日あんなに言い合ってた瀬口さんと一緒に居たから…？

皆がビックリしている理由が何なのか分からずモヤモヤした

最後にスタジオに入ってきた夏輝くんも私を見るなり、目を見開いた

澤「マスクは？」

「あー、もう必要無くなっちゃった」

だって、あいつに少しでもバレないように顔を隠すためのマスクだったんだもん

7年間も努力したのが水の泡になったのだ。

住所まで調べられたんならもう隠れる意味なんてない。

澤「必要無くなった…ってまさか、」

不安そうな顔をした夏輝くんの表情。
お願いだから何も聞かないでよ

何かを発言しようとした夏輝くんの言葉は、タイミングよく大樹さんの発言と被り、それ以上聞いてくることは無かった。

大「誰も素顔を知らない天才振り付け師……めちゃくちゃ可愛いじゃん…」

世「なんかA昔より若返ってない？」

颯「見たことあったんですか！？」

「20歳なるくらいまでは、マスクすること無かったんで…」

って、皆が私の顔を見るなりビックリしてたのはそういうことだったのか…と理解した

勇「20歳までは…ってAさん何歳なんすか？」

大「女性に年齢聞くなんて失礼だぞ！」

なんて言ってる大樹さんも、チラッとこっちを見て知りたそうにしてる

「27歳のアラサーです」

慧「黎弥くんと同い年？」