ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ1)

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1.よろしくお願いしますページ1

Aside

「おはようございます、星野Aです。今日から少しの間よろしくお願いします。」

私は今、LDHという会社のリハーサル室に居る。

というのも、ダンサーという職業をやっている私は、有難いことに都内某所のスタジオでインストラクターをさせて頂いている。

そして、稀ではあるが今日のようにアーティストさんからもコレオして欲しいとの依頼がくるのだ

堀「……星野さんって…え、ほっしーさんですか？」

「…あ、はい、」

大「え！あのほっしーさん！ダンサーとして名前はめちゃくちゃ知られてるのに初めて本人見た！」

ほっしーとは、ダンサーネームで本名の星野から取った愛称だ。

世「Aは色々事情があって、顔出しはNGなの」

慧「事情…」

澤「まあいいから早く始めよ〜」

メンバー一同「よろしくお願いします！」

ファンタさんの元気な言葉ではじまった、振り落とし

鏡の前に立てば、俺が前だと騒ぎ出すメンバーさんたち

誰がどこに居たって変わんないでしょ…なんて呆れながら待った

結局、私の近くに居るのは堀さんと慧人さん……

だと思う…

正直、未だに顔と名前が一致していない…

「…じゃあまず最初はこっから入ります、えーっとこんな感じで………これをこの音に合わせて1.2.3.4.5.6.7.8……」

・

・

・

「とりあえず、1サビまではこんな感じです。」

大「やばいっすね、かっこよすぎる」

「………１回音でお願いします」

〜♪

「…えっと…せ、ぐち？さん？、ここはこうじゃなくてこの角度で手はちゃんと…」

黎「……」

え、今無視された？目合ったよね？
もしかして名前間違えちゃった…？

「…あ、あの」

黎「あ、大丈夫です。ありがとうございます」

はて？何が大丈夫なの？
動きが大丈夫じゃないから言ってるのに、何この人…

この時瀬口さんへの印象は悪くなった

「……えーと、一旦休憩にしましょうか」

そう言えば、各自自主練をしたり飲み物を飲んだりと休憩を有意義に過ごし始めたのを横目で確認しながら、扉を出た通路にあったウォーターサーバーを飲みに行った

紙コップを取ろうとした瞬間急に頬がキーンと冷たくなった

「冷たっ…！」

？「やっぱり飲み物忘れてる〜はいこれあげる〜」

差し出されたのは、ペットボトルの水だった

「……夏輝くん…びっくりさせないでよ」