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六話 ページ7

太宰視点



「そして、ようこそ私の職場へ!!」

「職場?」

「そ。此処が私の職場」

「ふーん」



彼女が後ろのテントを指さし、そう言った。


一応、適当に返事はした。


強制的にテントの中へと連れられた。


椅子に座らせられ、対面席に彼女が座った。


これから、何をさせられるのだろうか。



「お兄さん、お名前はなんて言うの?」

「……太宰治」



今更過ぎないか?とは思うが、素直に答えておく。



「誕生日っていつ?」

「6月19日だけど」

「今の悩みは?」

「……ないよ」



嘘だ。悩みなんて沢山ある。


彼女は、そんな私を見透かしたように微笑む。



「本当にぃ?」

「うん」



私より年下と思われる彼女に言っても仕方がない。


出来ることなんて何も無いだろうに……。



「お兄さんの意地っ張りめ!」

「そう言われてもねぇ」

「仕方が無いなぁ」



何だ、遂に諦めたか。


そう思ったのもつかの間。


少女は意地悪そうな笑みを浮かべ言った。



「あなたの未来、占ってあげるよ」

「はあ?占う?」



占うって、一体何を占うと言うのだろうか。


占いだなんて、只の御遊びに過ぎないだろうに。


私はこの後、彼女にド肝を抜かれるとも知らないで


元最年少幹部の名に恥じぬ余裕の笑みを浮かべていた。

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作者名:鈴猫一世 | 作成日時:2019年4月18日 17時

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