妾の子でも許せ

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ピッと電話を切った彼女は水を一気にごくごくと飲み、メニューを広げる。
適当にペラペラと捲り、すみません、と声をかけた。

『このカルボナーラ頂けますか？あと半熟ケーキを2つ』

と注文する彼女に、店員の2人はバタバタと調理を始める。
その間に江戸川は彼女の方へと近づいて行く。

「ねぇねぇおねぇさん！」

と元気に声をかける江戸川に、彼女はちらりと目をやる。

『...なぁに坊や、どうかしたの』

と聞きながら、ポンポンと自分の横のソファを叩き、ここにおいでと促す。
とすん、と腰を下ろす江戸川。

「随分疲れてそうだったから、どうしたのかなって！
高専って言ってたけど、お姉さんは高校生なの？」

純粋な質問をする江戸川に、彼女は目を細める。
と、いっても目隠しをしている為に相手からは見えないのだが。

『.....私、高校生に見える？』
「う、うん」

まじか...と顔を沈める彼女。
何か間違ったことでも言ったかと慌てる江戸川に口を開く。

『私ね、こう見えても29歳なの』

「えぇぇぇぇぇええ！？」

江戸川と毛利、調理をしていた安室と榎本の声が重なった。

「じゃっ、じゃあさっき電話で言ってた高専っていうのは...」
『坊や聞いてたんだ...私、高専の教師してるの』

マジかよ...と1人ごちる江戸川に疲れた笑顔を向ける。

『大丈夫、よく間違えられるから』

ごめんね、と謝る江戸川の頭をぽんぽんと撫でて笑う。

「うん...お姉さんさ、目隠ししてるけどなんでしてるの？あと、高専ってどこの？」
『ああ、これ？弟がお揃いにしたいって言ってるから、ずっと付けてるの。特に意味は無いけど。
高専は宗教関係のとこだよ。入学方法はスカウトしかないんだけどね、』

目隠しの理由が案外しょうもなくてがっかりする江戸川。
宗教関係の高専...と頭を巡らすが、情報が足りないのでまた質問をする。

「その高専の名前って何？僕も高校進学の時に行きたいなって！」
『随分と質問攻めだねコナンくん...東京都立呪術高等専門学校だよ、けど学長がHP作るのめんどくさいって言ってるし、調べても特に出ないと思うけどね』

毛利がポチポチとネットで「東京都立呪術高等専門学校」と調べるが、言っていたようにHPもないし、これと言った情報も無かった。

「...ねぇ、お姉さんなんで僕の名前知ってるの？自己紹介したっけ？」
『さっき店員さんたちが名前呼んでたでしょ、コナンくん、って。私耳いいの』
「ふぅーん...」

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