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俺はAにオレンジジュースを渡して楠の前に立つ大樹と杠を見守る。
杠の赤い顔を見なくてもずっと一緒にいれば分かる。
この告白は100億%成功して見事におめでただ。
いよいよ大樹が自分の想いを言いかけたその時、緑の眩い光が世界を覆った。
尋常じゃないその事態に、俺の中でジリジリと頭が割れるほどの警報が鳴り響く。
『っ……!?』
「_____ッA!」
訳が分からないまま謎の光を見つめて静かに震えるAを力強く抱きとめた。
俺とAが落とした缶ジュースで足元が濡れるが、そんなことを気にしている余裕は無い。
『千…空く…____。』
腕の中でAの体温が段々と下がっていくのを感じながら、俺たち人類は動きを止めた。
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地球上から人類が消えて数千年_______
俺を覆っていた石が砕け、視界が広がった。
隣には石化したままのA。
「…………。砕けたのは俺のだけかよ…クソッ…____。」
抱きしめたはずのAは俺の手から外れていた。
恐怖に満ちたままのその顔を見て、俺は近くに散らばった石の破片を握りしめた。
それから半年もの間、俺はありとあらゆる知識のおかげで衣食住を手に入れた。
ようやく大樹との再会も果たし、現状を説明した。
俺一人じゃ生活基盤作成だけで一日が終わる。
どうしても体力バカが必要なんだ。
「ずっと待ってたんだよ大樹、テメーを。
杠に言うって決めた男が志半ばで
んなタマじゃねえだろテメーはよ!」
「もちろんだ!」
人類が石の時代から近代文明まで200万年。
そこを一気に駆け上がる。
世界を取り戻してやる。
石化や復活の原理も科学的に突きとめて_______
俺ら高校生のガキ二人でゼロから文明を作り出すんだよ。
「この
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大樹が採ってきたキノコを素早く選別していく。
量は山ほどあるが……_______
「トリカブト! 誰殺すんだバカ!!」
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「う…まい!! なんの味付けだこれはー!!」
「ただの塩だ。海水から取った。
人間塩ふりゃ大抵のもんは食える。塩漬けの保存食にも必須だし。
原始人類最大の発明だな。」
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作者名:あちゃ。 | 作成日時:2022年10月29日 10時