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よん ページ5

「その***は、どんな漢字で書くんだい?」

「へ?あーえっとねー」



キョロキョロと周りを見渡している限り、何か書く物を探しているようだ。胸ポケットからメモと万年筆を取り出すよりも早く、少年は先程混凝土の模様となったアイスに目をやる。

ーーおい待て





ペチョッ ペチョッ






あああああーっと。



其れはもう何の迷いもなく、人差し指をアイスにぶち込み、混凝土に伸ばしていく。ダイイングメッセージか。



此奴に 汚い と云う概念は存在するのか…

いや、先程元部下の吐き出した血を見て汚いと云った辺り一応持ち合わせているらしい。今こそ使うべきだろ。





「ん!こんな感じ!っておにーさんそっから見えてんの?あっ、ほらボヤァってなってる!アイスがボヤァってにじ、あっ、文字じゃなくなるぅううう!!」

「………これを使い給え」





何か書いた風には見えるが、文字までは流石に読めず、紙を1枚取り出し万年筆と揃えて、少年の元まで歩みを進めれば、

時間が経ち、少し動いた月光により少年の顔が漸く見えるようになった。





純黒よりも、藍が混ざった髪に、同じ色をした瞳

肌は驚く程白い。何だその可哀想な肩幅や体型は。ちゃんと飯食ってるか。と心配する程、彼の骨組みは華奢だった。





「おー、おにーさん準備万端っスね。感心感心。」





ヘラっと目を細め、薄い唇を更に引き伸ばし笑う少年は、何処まで行っても 平和 の二文字が似合う顔立ちだ。





アイスでベタついた手を服で拭き取り、太宰の差し出した万年筆と紙にスラスラ書いていく少年を、見下ろしながら太宰の警戒は少しずつ解かれていく





「ほいさ!此れが***って漢字!」

「…………矢張り私には知らない地名だ」




どうやら間違いでは無いらしい。




「ええええっ、んんー、あっ、そだおにーさん!駅まで連れてってよ!駅さえ見つけりゃこっちのモンだし!」

「えっ、いや、私は」

「へ?あーソコのオジサン?」

「嗚呼」





未だ死んでもない(とは云っても死にかけだが)元部下の始末をしなければならない。

少し離れた場所に配置させた送迎用の車は在るが、いや待て。何故ここまで見ず知らずの少年の世話をしなければならない。


然し、一般人を巻き込んでは流石に警察が動きかねない。其れは至極面倒極まりない。




「…少し待っててくれ」




グシャッ

パァンッ パァンッパァンッ





「さて、行こうか」

ごー→←さぁんっ



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晋陽 - とても面白いです!!更新待ってます! (2018年4月1日 21時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
アルテミス - おもしろかったです!夢主君がかわいすぎ (2018年3月25日 0時) (レス) id: ea23810468 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 山田琉愛さん» 山田さん!白烏に引き続き御愛読有難うございます!いつもコメントして頂き、その分頑張ろうと思えています!これからも宜しくお願いします!(^ω^) (2018年3月4日 5時) (レス) id: 5e1c605be1 (このIDを非表示/違反報告)
山田琉愛(プロフ) - 新作おめでとうございます!この時点でもう面白いからこれからどうなっていくのかとっても楽しみです!無理しない程度に頑張ってください!応援してます! (2018年3月2日 1時) (レス) id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年3月1日 1時

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