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さんじゅはーち ページ39

殺したー…のか……???


手応えは無かったが、奴の姿は見えない。


どちらにしよ、目の前に居た憎き人間が居なくなった。その事が芥川の心を緩やかに沈めていった。


ゲホッと咳払いをしつつ、異能力を解いた瞬間








ジュボッ






という音と共に身体に違和感。






貴「ドッキリ返し大成功???」

芥「なっ…………何故、貴様……っ!」





背後から腑抜けた声が聞こえ、首だけを向ければ、何事も無かった様に立っている玲の姿


奴の手元から伸びた水の様なもの。

辿り着いた先には、先程玲にしたように、今度は自分の上半身を深々と貫いていた。





然し痛みはいつまで経っても来ない。

よく見れば血も出ていない。何故ー…





太「やっぱり玲は優しいねぇ。何ならグッサリ突き刺して良かったのに」


貴「そんなふかし芋の蒸し加減確かめるみたいに、竹串刺したら?風に言われましても」





例えが独特過ぎるのはこの際置いておこう。

未だに状況を理解できない芥川に、玲はヘラりと笑って異能を解いた。



貴「僕の異能!全身水に出来たり、水が近くに有ればこんな風に水を使って人を貫いたり出来る!」


芥「僕は、貫かれた筈…ならば何故痛みが…」

貴「やつがれ…イカす呼び方。真似していい?」

芥「愚論する気か!!!」

貴「びょっ!?び、くりした〜。あ、いやそりゃ本当に貫いてる訳じゃ無いよー。こうして後ろと前だけに氷柱を作って、やつがれ君をサンドイッチしてみたの!」





ほら、ドッキリって言ったでしょ?


と、まるで子供のような、それも小学生地味た笑い方でヘラヘラする玲

一方芥川は、未だにこの男の神経を理解出来ずにいた。


自分は確実に殺気を込めて異能を降った。それを避けられた理由は異能内容で理解出来たが、自分を殺そうとした人間を、殺さずに笑顔で話しかけるこの男………





芥「…貴様…余程頭が可笑しいと見た」

貴「えっ酷っ」




遊撃部隊隊長、永田玲。


このチートとも呼べる異能力が有れば、その地位に着くことも容易であろう。


異能力に恵まれた、僕にとって、最低最悪の人間。



僕には無い物を、僕が欲している物を、いとも容易く手の中に収めた男。


矢張り気に食わない………。





太「じゃあ、自己紹介も終わったみたいだし、玲!」

貴「へい!」

太「そこの捕虜任せたよ」

貴「合点承知之助!」

さんじゅきゅ→←さんじゅなぁなっ



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晋陽 - とても面白いです!!更新待ってます! (2018年4月1日 21時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
アルテミス - おもしろかったです!夢主君がかわいすぎ (2018年3月25日 0時) (レス) id: ea23810468 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 山田琉愛さん» 山田さん!白烏に引き続き御愛読有難うございます!いつもコメントして頂き、その分頑張ろうと思えています!これからも宜しくお願いします!(^ω^) (2018年3月4日 5時) (レス) id: 5e1c605be1 (このIDを非表示/違反報告)
山田琉愛(プロフ) - 新作おめでとうございます!この時点でもう面白いからこれからどうなっていくのかとっても楽しみです!無理しない程度に頑張ってください!応援してます! (2018年3月2日 1時) (レス) id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年3月1日 1時

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