９敵わぬ相手 ページ9
ガラッ
A(私が屋敷を出る事、どうかお許し下さい…)
翌朝、荷物をまとめた私は静かに屋敷を出た。
A「帰ったらきっと怒られるだろうなぁー」
それでも、足を止める事はなかった。だって私は心に誓ったのだ。今の自分としっかり向き合い、立派な姿になったらお母様がいる屋敷へ戻ると…。
その頃…
？「…様…」
土「…」
A…。小さな都で出会った麗しい女。気が強いが身体は弱い。女嫌いの吾輩でさえ、一目惚れしてしまった。だが、あ奴は人間…。妖怪である吾輩とは違って寿命と言う物が有る。だから、一分一秒でも良いからAに会い、細々とした身体を何時かこの腕で…。
？「親方様〜！」
土「っ！な、何用だ？」
？「何用って…お茶とお饅頭をご用意しましたけど〜？」
吾輩を見るなり呆れた表情をした女…こ奴の名はえんらえんら。元祖軍の身の回りの世話係をしている。女嫌いの吾輩にとって唯一心を許せる女だ。
土「おお…すまぬな」
ゆっくりとした手付きで、元祖饅頭とお茶を受け取った。早速、元祖饅頭とお茶を頂こうとした時、えんらえんらの顔付きが変わった。
え「親方様〜最近様子が変ですよ〜？」
土「！？」ビクッ
流石はえんらえんらだ。こ奴は生まれ付き感が鋭く、考えている事、思っている事を見抜いてしまう。顔に似合わず恐ろしい女だ。
土「何を言い出すかと思えば…吾輩は至って普通であるぞ」
え「そうですか〜？話し掛けても返事が無かったり…夜になれば何処かに出掛けたり…どうも普通とは言えませんよ〜？」
…やはり気付かれていたか。Aに会う為には、皆が寝静まる時間帯でなければならない。特に、えんらえんらには見付からないように気を付けていたのだが…。
土「はぁ…お主にはどうも敵わぬな」
小さな溜息をついた後、えんらえんらの方に向き直った。
土「今から話す事…決して誰にも言うでないぞ？」
え「ウフフ〜♪勿論ですよ〜」ニコッ
とうとう折れてしまった吾輩を見ては、嬉しそうに微笑んでいた。
土「ゴホンッ、実はな…人間の女に一目惚れをしてしまったのだ」
え「まあ！人間の
土「嗚呼…」
吾輩とて…人間に一目惚れをしてはいけない事ぐらい分かっとる。そう思うと心が傷んだ。
土「だから…」
吾輩の思いを話そうとするも、言葉が詰まり変な汗が出てきた。
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甘栗(プロフ) - 奈乃さん» あらら、そんなにですか！？でしたら、もっと好きになってもえるような小説を書かなければ…！ (2017年10月23日 17時) (
レス) id: 48eea68ba9 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 土蜘蛛好きになりすぎて、本家より、元祖はになりそう………。 (2017年10月23日 16時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 奈乃さん» そう言ってもらえて光栄です♪土蜘蛛と夢主ちゃんがどうなるのか暫しご期待を！ (2017年10月22日 18時) (レス) id: 48eea68ba9 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - この小説を読んで、土蜘蛛好きになりました！ (2017年10月22日 11時) (レス) id: c59f4f4f60 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - キノコさん» ありがとうございます♪私なりに表現していくので、暖かな目で見守って頂ければなーと思います！ (2017年8月14日 7時) (レス) id: 48eea68ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘栗 | 作成日時：2017年8月9日 16時
