守らなければならない小さな背中 ページ11
殴られる時の耳を塞ぎたくなるような音と、血が飛び散り、床に跳ね返る音。
そして男の低く重圧な唸り声がフロイドを襲う。それは、子供には耐えかねないトラウマになってもおかしくないような光景。
それがフロイドの目の前で繰り出される。
こんな光景、知らない。
殴り合いはジェイドとの喧嘩で何度経験したことがある。
これは、家族喧嘩なんていう対等なものではない。
そう、警告音が脳内に響いた。
だってゆきは、何にもできない。
そんな一方的な暴力。ただの弱いものいじめであり、ダメなことだと幼いながらも理解する。
ゆきはなにもわるくない。
わるいことしたら、おかーさんに、ゲンコツされる。
けど、ゆきは、なにも！
自分が悪さした時、よく母にゲンコツされたフロイド。それは、愛あっての行動だとフロイドも理解している。
けどこれは、違う。
たすけなきゃ！
｢だめぇえ！！｣
｢あァ？なんやねん。｣
｢ふろ、ひどっ.......だめ。にかひに、いきなっゲホ！｣
フロイドが声をあげたことで、男の意識がそちらへと向き、手が緩む。
力強く乱雑に握られていた髪の毛はキシキシになり、いたんでいた。
ハラハラと数十本の髪の毛と共にゆきは床へと倒れ込む。
コロン、と口の中から歯が落ちた。それと同時に腹の底から何かが込み上げてくる。
腹も結構殴られたからな。
夕飯でてきたじゃん。
そんなことをどこか他人ごとのように思ってた。
しかし、口へと到達したのは、生臭い鉄の味。
ウソ。
咳き込むと同時に吐血する。
べちゃあと、床に真っ赤な水溜まりが出来上がるざま。
出てきたらダメという言葉を振り払い、庇うようにゆきの前で両手を広げる。
自分がゆきを守らなくては。
そんな強い思いがその場限りで恐怖心を打ち負かす。
｢だめ！ゆきにぼぉりょくだめ！｣
方違いの瞳からドバドバ出てくる涙。
やっぱり怖いものは怖い。
大の大人の暴力を怖がらない子供がどこにいるか。
涙を流しながらも、叫びながらも、男を睨みつけるフロイド。それが、男の神経を逆撫でした。
ぬっと男の太く長い手がフロイドへと伸びる。
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あいうえお - 泣けました…！最後のところが！！！本当に！！！（大声） (2021年4月29日 13時) (
レス) id: 4ea2abc19e (このIDを非表示/違反報告)
うーまる(プロフ) - 涙腺崩壊しました。鼻ズビズビいわせながら涙ドバドバ出てきました。やばいです感動しました。 (2020年8月17日 8時) (レス) id: c64b1f6e9c (このIDを非表示/違反報告)
私 - あれ？なんだろう目から水が…とにかく感動しました…！好きです(唐突な告白) (2020年8月6日 7時) (レス) id: 08587e4da5 (このIDを非表示/違反報告)
華のフロランタン(プロフ) - とても感動しました。泣いてしまいました。 (2020年8月4日 19時) (レス) id: 30e078ea0f (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - すっごく感動しました〜！（だれかピクシブのURLか、飛び方おしえて〜！） (2020年8月4日 16時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時：2020年7月28日 17時
