初めての陸のご飯 ページ13
｢フロイド、ここに座って｣
隣の席を叩く。
大人しく座るフロイドを一撫で。
｢いただきます。｣
｢？？｣
あぁ、そうか。
知らないのか。
｢ここにある食べ物はね、全て命があったものなの。
味噌汁にはお魚さん、卵は鳥さん。あと、このお野菜や、お米っていう食べ物は、一生懸命作ってくれた人がいるから私たちは食べられるの。お味噌も、お豆腐も。作る人がいてくれるから、食べられる。
たくさんの命が机の上に並んでるの。それを食べるから、だから、生きることができる。
その感謝を忘れないために、いただきますって言うの。｣
すべての食材に、食べ物が口に届くまで関わったすべての方々へ感謝の心を。
日本独自の文化ではあるが、とてもいい言葉だと私は思う。
｢いたぁましゅ！｣
｢そう、いただきます。｣
偉いね。と撫で回した。
｢お箸は使えないよな。
スプーン？フォーク？.......フォークは危ないか。｣
なんせこの家、私しか住んでない。
子供なんていないのでプラスチックのフォークなどなかった。大きいスプーンも使えないと踏んで、小さめのスプーンを持たせた。
｢こうやって、食べるの。｣
スプーンを握りしめご飯を掬い、口へと運ぶ。もきゅもきゅと食べる姿はハムスターみたいだった。
その隙に卵焼きを箸で何等分かに細かく分ける。熱々はさすがに食べれなさそうなので、こうして冷ましておく。
｢おいし？｣
｢おいちー！｣
どうやらお口にあったようだ。
自分で次から次へと口へ運ぶ。そしてポロポロと米粒が床へ落ちていく。.......エプロンも買わねば。
今日の掃除の雑巾がけが確定した瞬間であった。
トホホ。
お味噌汁はさすがに危ないので、私が食べさせる。
スプーンで掬ってフーフーと冷ます。
そしてフロイドの口へと運ぶ。
｢もっと！｣
お気に召しましたか、良かったです。
わかめは食べたことがあるのか、
｢わかめたべりゅ｣とウキウキしていた。
ワカメがなくなり、あとは汁と豆腐だけとなった。
.......豆腐は食べたことないだろう。
｢はい、口開けて｣
渋々だが口を開けるフロイド。
四角い白い物体にたじろぐ。
｢！｣
｢美味しいでしょ？｣
食べず嫌い、とまでわはいかないがとりあえず美味しかったようで一安心。
噛んでは飲み込み、口を開けるの繰り返し。
貴様は王子か。
あぁ、人魚王子だったな。
そしていい感じに覚めた卵焼きを突っ込んだ。
｢んー！！｣
今までで一番いい反応を見せるフロイド。
両方のほっぺたに手を当て体をくねらせる。
ほっぺた落ちちゃうってか。可愛いヤツめ。
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カキ - 小さいフロイドに癒やされた……名前の変換できたら嬉しいです (2021年4月29日 12時) (
レス) id: 4ea2abc19e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 初コメ失礼します。フロイドのトイレどんどんめっちゃわらいましたwww。にしても可愛いですね〜 (2021年1月13日 21時) (レス) id: 53cc08d6c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - Jさん» 初コメありがとうございます！！応援ありがとうございまする、頑張りマッスル (2020年8月9日 15時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - とっとさん» 尊い！！！(クソデカボイス) (2020年8月9日 15時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 奏音☆色音さん» いや、ほんと稚魚イド最高ですよね笑 養いたいです笑 (2020年8月9日 15時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作成日時：2020年7月26日 21時
