後悔先に立たず ページ3
(やってしまった)
後悔先に立たず、とはこの事を言うのだろう。
頬を叩いてしまったあの時の彼女の顔が頭から離れない。一緒に過ごす時間が長くて忘れてしまっていたが
彼女は前の世界で父親から暴力を振るわれていたのだ。これでは、あの子の古傷をえぐったようなものではないか。
もし過去に戻れるなら全力であの時の自分を止めるだろう。殴ってでも止める。しかし今となっては彼女に誠心誠意謝るしか方法はない。
｢あの｣
｢はぁ、私最低です。どういう顔をしてあの子に会ったらいいのでしょう｣
｢学園長？｣
｢これはAから教えて頂いたドゲザというものをしなければならない事態です。あぁ、謝っても許してくれるかどうか｣
｢おーい｣
｢絶対に嫌われてしまいました。もうどうしましょう。あの子に嫌われたら私生きていけない｣
ブツブツと心の声であるはずの言葉を紡ぎ続けるクロウリー。監督生の呼びかけは一応耳に届いてはいるが、返す気はないようだ。
｢学園長、あまりA先輩を責めないであげてください。元はと言えば、私がこの包装を勝手に開けて、ペンを見ていたのが悪いんです！
それに私、A先輩から貰ったペン壊しちゃって｣
｢エースとグリムが取り合いになったからだとは言え、先輩が大切にしていた物だって言うのに....私！｣
だいぶ抽象的に先程起こった出来事をクロウリーに伝える監督生。
Aはペンを取り返そうとしただけ
いや、でもペンを勝手にとは言え見られただけでそこまで怒るだろうか？
(それでも、それでもだ！何も悪くないAを、私は、私はぁあ！！)
その事実を知ってしまったクロウリーは心の中で過去の自分をメッタ刺しにしていた。
｢ダメだコイツ。完全に聞いてないんだゾ｣
｢学園長！！｣
｢あぁもうなんですか！？｣
｢ひっ、ぁごめんなさい｣
｢っあぁ、すみません。取り乱していました｣
それで？と監督生に訪ねる。
｢あの、私、寝に行ってもいいですか？
明日も学校がありますし....｣
｢ああ、そうてすね！すみません、気が利いていなくて。私はここでAの帰りを待ちます。どうぞ自分の部屋へ｣
｢では。おやすみなさい｣
｢はいおやすみなさい｣
トテトテと談話室を後にする監督生。
扉を開け振り返りドアを占める際に
｢あぁそうだ。いつもありがとうございます学園長。私この世界に来て初めて頼れる人が学園長だったので。優しくてなんだか、元の世界のお父さんと重ねてしまって。ついわがままばっかり言ってしまっていました｣
｢ふふ、いいんですよ｣
では
ニコリと微笑んで自室に戻っていく監督生だった。
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クロ(プロフ) - コメント失礼します。もう、読む度に涙が…(/_;)更新楽しみにしてます！早く夢主に幸せが訪れて欲しいです… (2020年8月20日 16時) (
レス) id: 06dceaafd6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございますっ！自分の小説で泣いてくださるなんて.......！！ありがたすぎます！ (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 小宮さん» コメントありがとうございますっ！！父親はクソですね笑 多分誰か気づいてくれます！楽しみしててくださいぃ！笑 (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - アップルパイ♪さん» コメントありがとうございますぅう！！........いつか帰ると思います(？)笑 これからもよろしくおねがいします！ (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 奏音☆色音さん» いつもコメントありがとうございますぅう！！地獄に落ちるよう願っといてください笑 これからもよろしくお願いします！ (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時：2020年8月12日 15時
