堪忍袋の緒 ページ13
テンションが上がっていたため気づかなかった。
近づく足音に。
「ぶなぁァァ!!」
「えっ、わ、ちょっ!ぐりむ!?」
ユウの懐に飛びつくグリム。
問題はその姿。
「あぁ!どうしよう.......着物が」
「あーぁ、小エビちゃん やっちゃったねェ」
「グリム!」
「ご、ゴメンなんだゾ!」
泥だだらけの体で飛び込んできたグリム。そのままユウへと飛びついたので着ていた着物も必然的に汚れてしまったのだ。アタフタするユウとグリムをよそに、フロイドは何か気配を感じ振り返る。するとそこに現れたのは、Aだった。
「なに.......してんの」
「ユ、A先輩!?これは!...その」
「何しとんのか聞いとんねんはよ答えろやボケ」
「っ!フ、ロイド.......先輩、ぁ」
「なぁに、小エビちゃん」
「ァア”?...アタシは今お前に聞いとんねん」
「ぁ、.......あの、」
「さっきからあの、その、ばっかりうっさいねん口縫い合わすぞ。それ以外喋れへんのか?」
「っ!着物を、着てました」
「はァ?見ればわかるわンなモン。
なんで勝手に着とんのか説明しろ言うんが分からへんのか?頭大丈夫?アンタ」
背中を何かゾクゾクしたものが駆け上がる。
この光景、見たことあるのは1度だけではなかったはずだ。フロイドは覚えがあるのだ。
この独特な話し方でキレるAに。
「フロイド先輩が、良いんじゃないってっ」
「ゴチャゴチャうっさいねん黙れや。
お前、人がええよゆったら何でもすんのか。
人の服勝手に着よるとか、どーゆー性格しとんねん。
幼稚園児でもわかるで?人のもの勝手にいろたらあきませ〜んってな。んで?どうしてくれん?」
「し、染み抜きを.......誰かに」
「そうやんなぁ!アンタ、魔法使えへんもんなぁ!!
ようそれで着てみようとか思ったな!?
こんな土足で荒らされた床の上でクルクルクルクルコマみたいに回りよって。床に着いとる部分汚れとるやんけ。つか、いつまで着る気なん?はよ脱げやそれ。
ほんで元ん場所になおしてくれる??」
恐怖で動けないユウに痺れを切らしたのか、舌打ちしながら着物をひっぺがし元の位置へとかける。
「あのなぁ」
Aが話し始めたその時だった。
「おーいAー?お前仮にも女やねんから玄関開けっ放しはどうかと、.......おも、う.......あら、俺、もしかしてえんらい事してもうた?」
「ギギちゃんじゃん、なんでここにいんの?」
「いや、先生からプリント渡しとけって。つかなんでお前いんねん。今日休んどったやん。あかん、絶対空気読めてへんかったヤツや」
「うん、せぇーかい」
「先輩?.......女って」
773人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロ(プロフ) - コメント失礼します。もう、読む度に涙が…(/_;)更新楽しみにしてます!早く夢主に幸せが訪れて欲しいです… (2020年8月20日 16時) (レス) id: 06dceaafd6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございますっ!自分の小説で泣いてくださるなんて.......!!ありがたすぎます! (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 小宮さん» コメントありがとうございますっ!!父親はクソですね笑 多分誰か気づいてくれます!楽しみしててくださいぃ!笑 (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - アップルパイ♪さん» コメントありがとうございますぅう!!........いつか帰ると思います(?)笑 これからもよろしくおねがいします! (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 奏音☆色音さん» いつもコメントありがとうございますぅう!!地獄に落ちるよう願っといてください笑 これからもよろしくお願いします! (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆっこ | 作者ホームページ:https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時:2020年8月12日 15時