大切なあの子 ページ8
｢ある程度憂さ晴らしできたアイツはその場を去りました。ソファーで崩れる私にあの子は泣きじゃくりながら死なないで、と言ってくるんです。私が死ねば、この子は独りぼっちになる、それだけは避けなきゃと思ってました。奇跡が、起きたんです。
あぁ、このまま死ぬんだ。そう思ってたら、あの子の体か透け始めたんです。良かった、これであの子は帰れるのね。そう安心しました。
ネックレスをね、交換したんです。
あの子は私と一緒に海の底へ帰りたかったそうです。でもそれは叶わないと、心のどこかで理解してました。
ならばと、私のネックレスとあの子のネックレスを交換したんです。
｢あしたまた、笑って遊ぼう｣
｢海の底でまっててね｣
そんな残酷な口約束を残して。
眠たそうだった。
多分、帰る準備を体がしてたんでしょう。
この子を寝かしつけるのが私の最後の役目だと、悟りました。腕の中で消えていくあの子の体温なんて、もう感じません。それでも、頭を撫でながら、眠たそうなあの子の顔を見ることがとても幸せでした。
あぁ、このまま死ねるなんて、なんと贅沢な人生だったのだろう と。
最後におでこにキスをしたんです。
愛してる、おやすみ、いい夢を
それがあの子との最後の記憶です。
そして私は、そのまま、死にました。」
金色の瞳が画面越しに揺れていた。
この人は、私を思って悲しんでくれているのだと分かった。少し前までなら、同情なんて煩わしいと感じていただろう。愛するものが出来た今は、私を思って悲しんでくれる存在に、有難いと感じてしまう。それだけあの日常に染まっていたということか。
｢あなたは、無茶しすぎです。
分かってください。あなたも守られるべき、一人の人間なんだと。貴方の話を聞いている限り、この世界ではあちらの世界の常識は通用しないでしょう。いい意味でも悪い意味でも。貴方は向こうで死んだのなら、元の世界に戻れる可能性はまず、ないでしょう。｣
｢そうですよね。
いいんです。向こうに戻る気なんて、ないです。｣
｢ならまず、戸籍を作りましょう。｣
｢.......違法じゃないですか？｣
｢これくらい可愛いものですよ。私の人脈舐めないで下さいね。と、その前に。服をどうにかしないとですね。
好きな服を考えてください。魔法をかけるので。｣
好きな服.......
動きやすい格好でいいんだけどな。
でも、もし、魔法が存在するこの世界なら。
｢あの、本当に申し訳ないんですけど、ドレス的なのでも良いですか？｣
｢勿論。あなたの服ですからね｣
｢ふふ、ありがとうございます｣
ならば。
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Ria*(プロフ) - すみませんごめんなさい…。前にしたコメントゆっこさんのことを呼び捨てに…！！わざとじゃないんです、ごめなさい！ゆっこ"さん"です！訂正させてください！！ (2020年8月6日 10時) (
レス) id: 33e95337be (このIDを非表示/違反報告)
白玉の星(プロフ) - 速く………………速く………………思い出してほしい…これからも頑張ってください……………… (2020年8月5日 21時) (レス) id: 897ea2c55e (このIDを非表示/違反報告)
ちぃすけ。(プロフ) - 全編見たとき泣きました…（ ; ; ）この作品が今までで一番好きです！！更新ものすごく楽しみにしてます！！頑張ってください！ (2020年8月5日 20時) (レス) id: 0f6c0c9d97 (このIDを非表示/違反報告)
Ria*(プロフ) - 続編心待ちにしてました！ゆっこの作品大好きです！これからも楽しみにしています！！ (2020年8月5日 18時) (レス) id: 33e95337be (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - 名前変換させてほしい… (2020年8月5日 12時) (レス) id: ed99c8170d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時：2020年8月4日 20時
