王都襲撃：後編�� ページ48
「やめろおお！」
「エトさん！？」
相手の魔法から二人を庇うように入り込んだ刹那、上空から急降下してきたのが飛ばされたはずの騎士団長たちだった。
「魔法騎士団……」
具体的な距離は分からないものの、相手が計画して飛ばした程であったのでかなりの距離があったとみてもいい。
それをこの時間で戻って来れた。しかも、全員揃っていると考えれば、魔法を複合させて協力しあったとみて間違いないだろう。自尊心が高く、他と協同作業をしなさそうなシルヴァ家が居ることを意外だと感じつつも国を守る精神はみんな同じなのだろう。窮地に追い込まれていたため、助かった現状に変わりはない。
ノゼルはフエゴレオンの傍から離れず、俯いているAを一瞥した後、自身の魔導書を開いた。戦況が一転したことを敵も感じ取ったようで逃げようとするが、団長たちが許すはずがない。
「そう急くな」
水銀魔法“銀の雨”
ゲル魔法“ベトベトサラマンダー”＋裏魔導具“特性＋α”――吸収
ノゼルの創り上げた水銀魔法は敵の防御魔法と思えるものを貫通する程の威力を持っていた。しかし、相手は巨大な注射器のような魔導具を取り出したのだ。
「からのぉ〜」
自身の創り上げたゲル魔法をかなり強化したようで、ノゼルの水銀は意味を成さなくなってしまう。それは愚か、サラマンダーの前足がチビを飲み込み、敵陣に取り込まれる形となった。
「アスタ！」
「アスタさん！？」
「覚えておくがいい。魔法騎士団の者共よ」
「我らは“白夜の魔眼”クローバー王国を滅ぼす者だ……！」
自らを白夜の魔眼と名乗った集団はチビを連れ、唖然とする俺たちを置いて空間魔法を使用し逃げたのだった。
「ッ！ A！？」
思い出したように俺が振り返ったのとAの身体が傾き倒れるのは殆ど同時だった。フエゴレオンを見れば魔導書の角は崩れていたものの、そこから朽ちる様子はない。出血も延長していないようで、一命を取り留めたという言葉通りなのだろう。他の騎士団員たちが事の重大さに気付く頃、いち早く駆け寄った俺はAを抱きかかえ、救護班を呼ぶように叫ぶのだ。
……☆……☆
影魔法“暗影(あんえい)”
→エトの基本的な攻撃魔法。自身の影、或いは周囲の影に魔力を注いで意のままに操る魔法。
魔法消費量が少ない上に速度面で問題の多い影魔法を応用出来る手立てでもある。エトは主に影を暗器として使用する。
早く貴方と対等に！：ヴァーミリオン兄弟（閑話）→←王都襲撃：後編��
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Maho(プロフ) - 神崎さん» はい、ぜひぜひ (2018年9月2日 0時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - Mahoさん» こちらでもありがとうございます！ 二人とも格好いいですよねー。大好きなキャラです！ これからも絡ませていく予定ですー (2018年9月2日 0時) (レス) id: 5ebc5379b1 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - ブック1から一気にここまで読みました。とても面白くてはまりました。個人的にはエトとレオポルドやﾕﾉも好きですがノゼルやウイリアムもカッコイイですね！ (2018年8月31日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 香々さん» はじめまして！ ブラクロの作品少ないですよね……。糖分少なめですが、そう言っていただけると嬉しいです。私もウィリアムとノゼル好きです。これからも続きます故、よろしくお願いします。メッセージありがとうございます！ (2018年2月4日 15時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - ヒナピヨ★さん» はじめまして！ メッセージありがとうございます。一番なんて、恐れ多いです。エトのことまで……重ね重ねありがとうございます。楽しんでいただけたようでなによりです！ これからもよろしくお願いします。 (2018年2月4日 15時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 | 作成日時：2018年1月19日 11時
