家族との約束 ページ42
『おかあ、さん.........。』
母「あなたが幼い時に離れてってまってすごく申し訳ないわ。でも、あなたは私の娘よ。娘の幸せを願うのは親の定めみたいなものよ。」
ね、A?そう言うお母さんは涙を流しながら微笑んでいた。
父「A。父さんは病気でもなく、ただの事故で死んでしまってすまない。お前をお兄ちゃんを残してすまない。父さんは生きていられたのに。」
『おとう、さん......。』
お父さんは眉毛を提げてそう言った。
やめて........そんなこと、言わないで......。
『ちがう、違うの。お母さんもお父さんもお兄ちゃんもみんな一緒には居れる時間は少なかったけど、幸せだったよ。
今も。今も、友達が居るから幸せ。近所の人が優しくしてくれるから幸せ。』
私はそう言った。
だから、死んじゃったことに対してごめんねなんて言わないで。
兄「...........A..........。」
『私、幸せだよ。今も。昔も、ずっと。
だから、見守っててよ、なんて。』
少し気恥しくて、思わず笑う。
みんなも笑っていた。
そして、私は家族と別れ、川に沿って歩き始めた。
途中、涙が溢れて視界が歪んでも、私は歩き続けた。
「〜♪」
遠くからなにか歌が聞こえる。
この歌は───。
私は自然と早足になって走り始めた。
行かなきゃ、と思いながら。
ハァハァと自分の呼吸音だけ聞こえる。
でも、不思議と辛くはない。
ずっと走り続けていると、やがて辺りは花畑から一変、真っ白な世界になった。
「あ、あの子、家族がいなくなった子。」
「えー、うそっ!可哀想。」
「うわ、アイツじゃん。」
「ほんとだ。アイツよく学校来れるよなー。俺だったら引きこもるわ(笑)」
「しろちゃん!タピオカ!!」
「よっしゃ今日コラボやろーや!!」
ここは色んな声が聞こえる。
耳を塞ぎたい声、痛い声、嬉しい声、楽しい声。
声、声、声。
「お母さん!!お父さん!!お兄ちゃん!!1人にしんといて!!」
「........もう、死にたい.....。」
『私、いきたい.......!!』
私の声。
大事な人がいなくなった日。
ひとりぼっちになったあの日。
息苦しくて呼吸が出来なかったあの日。
初めて私を受け入れてくれたあの日。
幸せだと感じる今日。
私は走った。ずっとずっと走った。
この白い世界を抜けるために。
色鮮やかなあの日々に戻るために。
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☆*かすみ*☆(プロフ) - 梅昆布茶さん» そうですよー!私なんてもう底辺の底辺の底辺の(以下略)なので〜☆← (2020年11月14日 18時) (レス) id: 161666c480 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンの皮(プロフ) - 永遠さん» どーんどん突っ込んでくれ(笑)私も好き。相思相愛だね(いい笑顔)← (2020年11月14日 18時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
永遠 - 突っ込みが追いつく気がしません。好きです( (2020年11月14日 17時) (レス) id: c92df6b0c7 (このIDを非表示/違反報告)
梅昆布茶(プロフ) - 煮込みうどんさん» ありがとうございます!そう言っていたたげると私自身、大きな自信になるのでバンバンそう言う言葉くれ。(欲しがり) (2020年9月5日 11時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
梅昆布茶(プロフ) - 掠実さん» いえいえ〜、ありがとうございます!(満更でもない)実は天才なんでs(((強制終了 (2020年9月5日 11時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∞輪廻∞ | 作成日時:2020年5月18日 13時