花畑の向こう ページ41
──お館様と喋ったのは、何時間前だろう。
すっかり夜も更け、満月が真上にのぼっている。
一向に眠気など来ず、ただ、夜空を見ていた。
?「.....................やあ、A。月が綺麗な夜だね。」
しばらくそうしていると、声が聞こえた。
『..................あ、神、様........。』
そこには、神様がいた。
神「決断はできたかな」
神様はそう聞いた。
私はこの数時間、ずっとグルグル考えていた思いを伝えた。
『........そうだね。できたよ。』
私は立ち上がって神様と向き合った。
『....................私を、元の世界に、戻してくれる?』
あぁ、言ってしまった。
これで、お別れだ。全部、ぜんぶ、忘れるんだ。
神「...........うん、分かった。じゃあ、早速行うね。」
神様はそう言って、私の額に手をかざした。
やがて、私の体が光りだし、何か、暖かいものに包まれているような気がした。
『へへ、神様をリアルで見たの初めて〜』
神「ふふ、そうだね。僕は神様だから君のことはずっと見守ってたよ。」
『うわ、キモ』
私のその声にヒドイッ!と叫ぶ神様。
神「じゃあね、A。君の人生に幸あれ。」
『神様にそんなこと言われるとなんかいい事ありそうだわ(笑)
ありがと。.........じゃあね。』
神様とそう言葉を交わしたあと、私の体は完全に光に覆われ、何も見えなくなった。
──再び、目を開けると、そこは1面花畑だった。
どこか懐かしい雰囲気を醸し出すこの場所は永遠に居れそうなほど、心地良い場所だった。
幼い時にこういう所に家族とよく行ったな、なんて、過去に更ける。
?「.....A。」
不意にそう名前を呼ばれ、後ろを振り向く。
すると、そこには美しい川と、向こう岸にいる家族だった。
『.......えっ、お父さん?お母さん?お兄ちゃん?』
兄「A、進め。ここに留まろうとするな。」
お兄ちゃんがそう私に言った。
『.........なんで?皆がいるなら、私もここに居たい!』
兄「A!駄目や!進め!!」
お兄ちゃんは私のその言葉にひどく反対した。
『なんで?なんで私はみんなと一緒にいちゃあかんの?!寂しいよ!!1人はやだ!』
母「.......A。」
私がそう叫ぶと、お母さんが私の名前を呼んだ。
母「A、貴方はまだ生きとるの。お願い、死なんといて。」
お母さんはそう涙を零しながら言った。
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☆*かすみ*☆(プロフ) - 梅昆布茶さん» そうですよー!私なんてもう底辺の底辺の底辺の(以下略)なので〜☆← (2020年11月14日 18時) (レス) id: 161666c480 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンの皮(プロフ) - 永遠さん» どーんどん突っ込んでくれ(笑)私も好き。相思相愛だね(いい笑顔)← (2020年11月14日 18時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
永遠 - 突っ込みが追いつく気がしません。好きです( (2020年11月14日 17時) (レス) id: c92df6b0c7 (このIDを非表示/違反報告)
梅昆布茶(プロフ) - 煮込みうどんさん» ありがとうございます!そう言っていたたげると私自身、大きな自信になるのでバンバンそう言う言葉くれ。(欲しがり) (2020年9月5日 11時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
梅昆布茶(プロフ) - 掠実さん» いえいえ〜、ありがとうございます!(満更でもない)実は天才なんでs(((強制終了 (2020年9月5日 11時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∞輪廻∞ | 作成日時:2020年5月18日 13時