復讐【鬼滅の刃】

般若と彼ら ページ21

Noside

土煙が収まった頃、柱達はAが居ないことと、麗美夜の死体が視界に入った。

「麗美夜さん！！」

蟲柱・胡蝶しのぶが麗美夜の亡骸に駆け寄る。

だが、彼女が息をしていないのを確認して、

「...ご愁傷さまです」

そう言った。


夢柱・夢河麗美夜 死亡


柱達はその事実を知り、Aに対して怒りを増幅させた。

「藤原...彼奴は絶対許さない。俺達が殺してやる。」

Aが柱達に抱えた復讐心と同じようにまた彼らもAに対して復讐心を抱いた。

「...みんな、ちょっといいかな。」

すると産屋敷が口を開いた。

「確かに麗美夜を殺されてしまってAが憎い。その気持ちは分かるけど、Aだって苦しい思いをしていたんじゃないかな。」

「ですが、お館様。Aは元々麗美夜を虐めていたのでは！」

炎柱・煉獄杏寿郎がそう言った。

「本当にそうかい？

Aは本当に麗美夜を虐めていたのかい？

それはみんなが虐めている様子を見たのかい？」

産屋敷が柱達にそう問う。

「麗美夜ちゃんは藤原さんにやられた、と怪我をしていたのを聞きました。」

恋柱・甘露寺蜜璃がそう言った。

「...みんなは、麗美夜の実力をどう思う？」

産屋敷がそう言うとあからさまに空気が固まった。

それもそのはず、麗美夜の実力が丙程しかない(・・・・・・)と誰もが知っていた。

「ですがお館様、麗美夜は鬼を50体倒したから柱になっているのでは...」

「...実力も不確かなのに鬼を沢山倒せるわけが無い。きっと麗美夜は手柄を横取りしていたんじゃないかな」

蛇柱・伊黒小芭内が声をあげるが、産屋敷の意見にまた全体に沈黙が流れた。

「...それに、Aが"柱の皆にもやられた"、"蝶屋敷は使用禁止"ってどういう事かな」

柱達は何も言わなかった。

「...たとえ、同じ隊士を虐めていたとしても、別の人がやり返すそれも倍返しなんて可笑しい。Aは隊士で命を張って鬼を倒しているんだ。療養できる蝶屋敷が使えないのは命に関わると思うよ。」

それでも黙っている柱達を見て産屋敷は

「...今日の柱合会議はここまでにしよう。次に集まる時も全員が来てくれることを願っているよ。」

そう言い、その場から立ち去った。



私も皆に言える立場ではない、皆と同じAを苦しめてしまった人だから。

産屋敷は後悔に押しつぶされそうになりながらそう思った。



残された柱達はAが残した般若の面を粉々にする他なかった


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