二話:執拗深く【夏油傑】【五条悟】 ページ2
※前話の続き
「──そっか。」
夏油は悲しげにそう呟いた。
「ごめん。でもありがとう」
私は夏油に告白をされ、それを断った。
「私に必要なのは五条だって分かったし、気持ちもちゃんと知れたし。相談に乗ってくれて助かったよ。」
今の私はきっと笑顔だ。
笑って君に諦めてもらえる。
「A....。」
「五条が待ってるから。.....じゃあね」
夏油に手を振ってその場を後にしようとする。
だが、それを夏油は遮った。
「...A。どうして、」
「夏油。手を離して。」
「じゃあどうしてそんな苦しそうに笑うんだ。」
夏油が辛そうな声音でそう言った。
弧を描いていた口の端がヒク、と引き攣った。
そんな訳、と口が開きかけた時、思い切り掴まれた腕が引っ張られ、夏油と向き合う形にされる。
「ちょ、夏油...!」
「私なら、君にそんな顔をさせない。」
「....ッ!!」
私の瞳を見て、力強く夏油はそう言った。
「ダメだよ。私には五条が、」
「ならいっそのこと私たちも浮気をしよう」
唐突な夏油の提案に拍子抜けた。
「は、何言って」
「五条は浮気をしてAを困らせたんだ。少しくらいやり返してもいいんじゃないか?」
夏油はそう言って、自分の手を私の手に絡ませた。
「じゃあ、今だけ。
今だけ私の彼女でいくれないか」
夏油はそう言うなり私にキスをした。
「はっ?!ちょっ、何して...!」
「A。拒まないで。」
夏油は角度を変えながら何度も何度も噛み付くようにキスをした。
「お前ら、何してんの?」
刹那、1番この場にいてはいけない人の声が聞こえた。
「五条...?!」
五条が目の前に立っていた。
「俺の彼女に何手ェ出してんの?傑。」
「君がやっていた事と同じじゃないか」
Aこっち見て、と夏油は強制的に自分の方を見させて、またキスをしてきた。
「んッ...!!」
嫌だ嫌だ!!五条がいる前で!!
「...2人きりだったらこういう事してもいいのか?」
「....ゃ、ちが...」
瞳には生理的に出てしまった涙が溜まる。
夏油の言葉に私は首を振った。
「へぇ、そうなんだ。Aは俺を裏切るの?こんなに愛してるのに。」
五条が近付いてきて、私の首筋にかぷ、とかぶりついた。
「ッ〜〜!!ごじょ...!」
「私の事も忘れないでくれ」
「俺をもっと感じろ」
あぁ、きっとこれは私に恋させてしまった私が悪い。
三話:戦闘狂と世話係【七海健人】→←一話:歪んだ愛情【五条悟】
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∞輪廻∞(プロフ) - マリイさん» 再びリクありがとうごさいます!!乞うご期待お願いします! (2021年1月28日 22時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ∞輪廻∞さん» もう1つリクエストで夢主が虐められてる所とリスカしてる所を建人が見たら (2021年1月28日 22時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - マリイさん» うっわ、なにそれ良き!!むっちゃ面白そうやん!リクエストありがとう!! (2021年1月9日 22時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクエストで夢主がスリルを求めるアドレナリン中毒+戦闘狂でナナミンが夢主の面倒見てる設定見たいです (2021年1月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∞輪廻∞ x他1人 | 作成日時:2021年1月9日 22時