桜の輪廻【イナイレ×fgo 】 (ページ2)

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桜の花びらが１枚ページ2

目の前の光景に目を奪われた

息を吸うことすらも忘れるぐらいに

雲一つない青色がどこまでも続き、桃色の花が点々と舞う

自分よりも遥かに大きい桜の木が立っていた

ーもっと近くで見たい…

足が勝手に動き一歩、また一歩と近づく

まるで大木に招かれているようだった

「あら…お客さん？いえ、迷子のお客さんってところかな？」

上を見上げると着物のような服を着た女性が枝に座り、此方を見下ろしていた

その女性は和傘をさしてよく分からなかったが、この桜の精かと思ってしまうほどに神秘的な存在だった

「あぁ、でも…そうね。繋がってしまったのね。ここに来るのも可笑しくないわね」

彼女は、枝から離れた花びらのように舞い、宙に浮かぶ

「一応言っておくのだけれど、これは"夢"なんかじゃない。現実…んー、別世界？なんか違う…あぁ、アレよ、"貴方だけの桃源郷"！良かったね」

自分にしか分からないこと言葉を話し微笑んでいると、和傘の下の口元が笑みを止めた

「何、そのポカンとした顔。もっと喜んでよ。あと、何か言いなさい！ほら、あ、あれ…とかさ…」

ーありがとう。秘密の居場所をくれて

「ど、どういたしまして！えぇと、さてと。それじゃあ、まずは…」

彼女が何かをしようと考えていると、視界がクラリとした

「えっ、嘘、早くない！？まぁ、仕方ないか…今日はこの辺で別れましょうか。また会いましょう

ほんの一部でしかない歯車さん」

彼女に手を伸ばそうとするが、その手は届かず、暗闇へと堕ちて行った