メサイア~蛍色~ (ページ7)

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気になること2 ページ7

「な、なんすか？」
「今から高野と例のウイルスのとこに行ってくるがお前は…」
「あ、いいっす。」
「そうか。」
そう言うと三栖さんは、俺を横目で見ながら去っていく。
この部屋には俺と沙耶しか居なくなった。
沙耶はパソコンに向かいながら何か作業をしている。
これは、渡すチャンスなのではないか。
少し口元を緩めるとポケットに手を突っ込み、あの白い封筒を出す。
「なぁ、沙耶。」
「…何。」
沙耶に声をかけると、あいつはゆっくりと顔をあげ、俺を見る。
「お前に渡して欲しいって随分前に言われててな。
ほら。」
「えっ？」
封筒をポイッと投げる。
器用にそれをキャッチし怪訝そうに見た。
「随分前って…もしかして渡すの忘れてたとか？」
「ちげーよ！渡すタイミングがわからなくてな…」
「どっちでもいいけど…」
そうぼそりとつぶやくと、沙耶は丁寧に封筒の口を開けていく。
中から、何か落ちる。
「ペンダント…？」
ペンダントと言ってもロケット型で写真が入れれるやつだった。
沙耶はそれを見て、顔色を変えた。
慌てるようにして、封筒から１枚の、丁寧に折られた便箋を取り出して開ける。
「沙耶？どうし…」
そう言いかけた時だった。
沙耶が突然立ち上がり、走ってその場を離れる。
「あ、おい！」
俺は慌てて追いかけた。
ペンダントを見た時のあの表情。
俺は今まで見た沙耶であんな顔をしてるのを見たことがない。