メサイア~蛍色~ (ページ4)

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Nice to meet you3 ページ4

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ふと、一人になると白崎がいた時のことを思い出す。
今思えばあの頃が一番、よく笑ってた気がするし、何よりあの人がいた。
"「光織くん、君の瞳は綺麗だ。」"
あの人が褒めてくれた、僕の瞳。
あの人と過ごした時間。
あの人は、いつになったら。
髪が顔に触れて少しくすぐったい。
「あの人は、いつも僕のことを待たせるんだ。」
髪を耳にかける。
窓にもたれかかって、せわしなく動く車の波をぼんやりと眺めていた。
「あれ、沙耶じゃん。」
ゆっくりと声のする方に顔を向けると、そこには周がいた。
「周、どうしたの。」
「いやぁ？公安の次期エース様がこんなところで何してんのかなーって。」
「エースじゃない。高野だよそれは。」
周はそう答えた僕を鼻で笑うと、僕の隣にくる。
僕はそれを拒む訳でもなく、ちらりと見た。
「お前って本当、表情変わらないよなぁ。」
「そう。」
「何考えてるのかわかんねぇ顔してるし？」
おそらく周は僕の嫌味を言ってるんだろう。
それで僕が怒るか試してるかのように。
「…うん。」
「高野もよくこんなやつと一緒にいるよなぁ。」
「うん。」
「お前、こんなに言われてるのに怒りもしないんだな。」
「事実だから、別に。」
怒り方なんか、もう忘れた。
白崎とあの人が居なくなってから忘れた。
怒らなくても、困らない。
僕が泣いたところで何も変わらない。
もう、いいの。
「ふぅーん…」
「もうからかうのは飽きた？僕をからかうより高野からかったほうが、随分面白いと思うけど。」